目的や年齢によってローンの組み方を考えよう!不動産投資ローンの組み方の種類

目的や年齢によってローンの組み方を考えよう!不動産投資ローンの組み方の種類

不動産投資ローンは目的によって様々な組み方があります。不動産投資をしたいけれど、ローンの仕組みや利用方法がわかりづらいと感じている方の相談もしばしば耳にします。ここでは、タイプ別や年齢別でのローンの組み方をご紹介します。

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不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、その名の通り投資用の不動産物件を購入するためのローンのことをいいます。不動産を購入するためのローンといえば、ほとんどの人は住宅ローンを思い浮かべることでしょう。しかし一般的な住宅ローンは居住用の住宅に限定されており、賃貸経営のための不動産購入に充てることはできません。それゆえ、不動産投資用のローンは別の枠組みで用意されているのです。

不動産投資ローンの金利の種類

共通点から確認しましょう。住宅ローンと同様に、不動産投資ローンでも「固定金利」と「変動金利」の二種類の金利があります。より厳密には固定金利は「全期間固定型」と「期間選択型」の二種類に分かれています。金利の具体的な数字は金融機関や個人の属性、そして購入物件によっても変わります。ここではその一般的な傾向について整理します。

固定金利

固定金利は、返済期間中金利が変化しない仕組みのことです。ただし前述の通り厳密には二種類あり、一定期間を過ぎると変動金利へと切り替わる「期間選択型固定金利」というものもあります。一般的な固定金利である、ローンを完済するまで金利が固定されたものは、これと区別するために「全期間固定型」と呼ばれます。

変動金利

一方の変動金利は、融資期間中に金利が変動するものを言い、変動金利は通常半年に一度金利の見直しを行います。さらに元利均等返済方式の場合は、月々の返済額も5年に一度見直され、これを5年ルールと呼びます。

5年ルールによる金利の見直しがされても、これまでの返済額の1.25倍を上回ることはありません。これは1.25倍ルールと呼ばれており、急激に返済額が上がってしまうリスクを減らす対処として一般化しています。

メリット デメリット
固定金利 返済計画が立てやすい。金利変動のリスクがない。 変動金利型と比較すると金利が高い。大きく金利が下がっても、その恩恵を受けられない。
固定金利
(期間選択型)
最初の数年間は金利が固定されるので、金利が低ければ負担が少なくなる。 固定金利の期間が終了すると変動金利になるが、変動金利型の1.25倍ルールが適用されず、金利上昇の影響を受けやすい。
変動金利 固定金利より基本的に低金利である。返済途中で金利が下がると返済額が減少する。 返済計画が立てづらく、返済途中に金利が上昇すると、返済額が増える。

不動産投資では数千万から数億円という多額の融資を受けるのが一般的であり、たとえ1%以下の金利差であっても金額差は想像以上に大きな違いとなって現れます。金利は複雑でわかりにくいと考えてしまうかもしれませんが、むしろ金利を精査しなければ、投資計画が大きく変動する要因ともなるのです。

それゆえ、運用期間中のローンの借り換えの検討も重要性を帯びてきます。借り換えに伴う様々な条件や諸費用も忘れずに考慮に入れ、慎重に検討することが大切です。

住宅ローンと不動産投資ローン

次に違いを把握しましょう。住宅ローンと不動産投資ローンの違いは金利と審査対象に現れています。それぞれの条件に対応するわけではありませんが、アパートローンとプロパーローンという分類があるので、その言葉を利用しながら特徴を理解していきましょう。

アパートローン

アパートローンとは、個人投資家向けにパッケージ化された金融商品の一般呼称です。金利は住宅ローンより割高になりますが、購入物件からの家賃収入を返済の前提にしないという特徴があります。この性質から、契約者の返済能力が審査対象になる一方、購入物件の資産価値や収益能力は審査対象に含まれません。

パッケージ化されているため、金利や融資金額もある程度決められています。なにより審査基準もあらかじめ公開されている場合があり、審査期間は短く、早いものでは1週間程度で審査結果が出るものがあります。

プロパーローン

しかし、アパートローンで不動産投資をするのは実際には稀です。不動産投資に限らず事業に取り組む個人・法人に対して融資をする金融商品として、プロパーローン、プロパー融資と呼ばれるものがあります。不動産投資では購入物件の収益能力も返済能力に加算されるため、物件も同時に審査対象にしたプロパーローンの方が一般的です。

プロパーローンは金利や融資期間が決まっておらず、一件一件に最適なローンを組むことになります。それゆえローンの制約がなく、「オーダーメイドのローン」ともいえます。プロパーローンは保証会社を通さないため保証料はかかりません。その代わり金融機関が入念に審査を行うため審査基準が高く、時間がかかってしまうことがデメリットといえます。

関連記事:【徹底解説】住宅ローンと不動産投資ローンは何が違う?両立はできる?

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目的別に見る不動産投資ローンの組み方

実は不動産投資ローンは、複数の利益をもたらしてくれます。ただし、それぞれのメリットを引き出すためには、計画的なローンの設計が求められます。不動産投資をどのような目的で行うのかに応じて、適切なローンの設計を意識しましょう。

長いローンを組むことで生命保険の代わりとなる

住宅ローンと同様に、長期のローンを組む際、ほとんどの金融機関では万一の事態に備えて団体信用生命保険に加入することを義務付けています。団体信用生命保険とは、契約者が死亡または所定の高度障害状態に陥った場合に、ローンの返済が免除される保険のことです。

不動産投資ローンでは万が一の際、遺族に保険金は入りませんが、代わりに不動産という資産を遺すことができます。ローンの返済が残っていない状態で資産だけが遺るため、家賃収入が入り続け、遺族の生活費を補ってくれます。これまで家計を支えていた人が亡くなってしまっても、不動産投資は遺族にとって頼れる収入源となるのです。

短くローンを組むことで年金の代わりとなる

サラリーマンで収入がある間にローンを完済しておくことで老後の年金代わりの収入を期待できます。厚生労働省によると、60代の老後の最低日常生活費はおよそ23.5万円、ゆとりある老後生活費はおよそ37.8万円となっています。平成30年度の厚生労働省の発表によると、夫が会社員で40年間就業した場合の平均標準報酬は42.8万円で、妻がその間専業主婦だった世帯の年金月額は約22万円となっています。

年金額は60代の最低日常生活費にも届かず、さらにゆとりある老後生活ではおよそ15万円も不足しています。不動産投資ローンを完済していれば、家賃収入で年金の不足分を補うことができます。この効果を期待するなら、将来の修繕費用のことも考慮し新築や築浅の物件を選ぶことも重要になるでしょう。

年齢・収入別に見る不動産投資ローンの組み方

目的によってローンのメリットの引き出し方がある一方、それぞれのローン設計が現実に可能かどうかは別の条件が関わってきます。主に年齢と収入状況によって実現可能なローンは変化するので、一般的な条件を確認したあと、それぞれの年代でローンの例を検討してみましょう。

ローンには年齢制限がある

不動産投資ローンでは、完済時の年齢は80才前後が基本となっています。また、最長の融資期間は一般的には35年です。たとえば現在の年齢が35才なら、35年のローンを組んだとしても完済するのは70才となり最長融資期間を選べます。しかし年齢を重ねるにしたがって融資期間が短くなってきます。物件の法定耐用年数が融資期間より長くても、基本的には期間の短い方が優先されてしまいます。

収入に応じた金融機関の選択

不動産投資ローンで融資を受けられる金融機関には、都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクの四種類があります。金利はメガバンクが一番低いため最初に組むローンのターゲットにしがちですが、不動産会社と提携して個人投資家を支援しているのは稀です。それゆえ、金利の低さにこだわるよりは、不動産会社との提携関係があり交渉を進めやすい金融機関から選択するようにしましょう。なお、一般的に各金融機関での借入限度額は、「年収の何倍まで」と明確には決まっていません。参考程度におおよそ10倍を目安と捉えておきましょう。倍率が高いほど金利も高くなる傾向があります。

ローンを組む際の注意点

不動産投資は融資を受けて物件を購入することが基本ですが、ローンを組むにはリスクがあることも理解しておかなければなりません。

空室のリスク

不動産投資の最大のリスクが「空室」です。空室によって家賃収入が入ってこない間にもローンの返済はしなければなりません。その間の返済額をあらかじめ積み立てておく計画性は欠かしてはなりません。

空室のリスクについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

売却価格が下がってしまうリスク

どんな物の価値も年月の経過とともに下がっていきます。それは不動産もまったく同じです。希望の価格で売却したくても売れない場合、切り下げた価格では債務が残ってしまう可能性があります。残っている債務を自己資金で補うことができれば、抵当権を設定されていても売却することはできるでしょう。しかしそうでなければ抵当権を外すことができず売却は不可能になってしまいます。

本来、不動産投資には主に二つの利益があり、ひとつは家賃収入、そしてもうひとつは物件を売却することで得られる売却益(キャピタルゲイン)です。希望の売却価格に少しでも近づけるために、そして債務を残さないためにも物件の現在の価値を把握しておくことが重要です。

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まとめ

不動産投資で融資を受けるには、個人属性や物件の価値が審査に影響します。今回は目的や年齢・年収別にローン設計の例を示しました。ここに示したのはあくまで基本的な考え方であり、金融機関によって審査内容や金利など内容がまったく異なります。基礎的な知識を身につけたら、ひとりで金融機関に直接打診するより、ノウハウを持った不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

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