【東京vs地方】不動産投資をするならどっち?収益性に違いはある?

【東京vs地方】不動産投資をするならどっち?収益性に違いはある?

「不動産投資は立地で買え」という言葉があるように、
不動産投資は、どのエリアの物件を選択するかが非常に重要です。

人口が集中・入居がつきやすいイメージのある東京か、
物件価格が安く、手をつけやすいイメージのある地方都市か、
迷っている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、東京と地方都市における不動産投資の特徴を、賃料や物件価格、残価率といった点から比較していきましょう。

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東京と地方都市の不動産投資の違いとは

不動産投資を検討する際、まず悩むのが「どのエリアを選ぶか」でしょう。

安定イメージがあるが価格が高い東京と、リスクイメージが強いが手ごろな物件価格の地方都市。

具体的にどのような点で違いが生じるのかを見ていきましょう。

東京都からは都庁のある中心都市として新宿区を、地方都市は地方の政令指定都市として、愛知県名古屋市・大阪府大阪市・福岡県福岡市をピックアップして比較し、エリア選択において重要なポイントを解説します。

違い① 「賃料」

まずは、各都市の新築および築古(築15~20年)における平均賃料の違いを見ていきましょう。

  東京都(新宿区) 愛知県(名古屋市) 大阪府(大阪市) 福岡県(福岡市)
新築時 11.94万円 6.19万円 7.16万円 6.9万円
築15~20年時 9.24万円 6.09万円 6.69万円 5.66万円
(参考)
公示地価
341万4,551円/㎡ 50万7,437円/㎡

85万5,714円/㎡

51万412円/㎡
(参考)
人口密度
※令和2年度時
19,176人/㎢ 7,143人/㎢ 12,216人/㎢ 4,695人/㎢

※アパートを含むため、マンション賃料は平均より高めの場合があります
※名古屋市中区・大阪市中央区・福岡市中央区 の数値を参考

参考:不動産情報サイト アットホーム (アクセス日時 2023/6/27)
参考:土地価格相場が分かる土地代データ(アクセス日時 2023/7/4)
参考:令和2年度 国勢調査

東京だけ賃料平均が頭一つ抜けて高いことがわかりますね。
東京は利便性が高く、人口集中が顕著なため、投資先としても、居住地としても高い人気があることの表れでしょう。

違い② 「物件価格」

続いて、物件価格の違いを見ていきましょう

  東京都(新宿区) 愛知県(名古屋市) 大阪府(大阪市) 福岡県(福岡市)
新築~築3年 4.142万円 2,466万円 2,145万円 2,080万円
築15~20年時 3,561万円 1,101万円 1,571万円 1,239万円

参考:不動産情報サイト アットホーム(アクセス日時 2023/6/27)

賃料と同じく、物件価格においてもしかも東京と他都市では2倍程度の開きがあるという結果になりました。

東京都の物件1件の購入資金 = 地方都市では2件分の購入資金 と考えると 
「地方エリアで不動産投資を始めた方がいいのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、不動産投資における物件購入はあくまで「スタート」です。
大切なのはその物件がどれだけお金を稼いでくれるかという点につきます。

たとえ物件価格が安く、利回りが高くとも、入居がつかないとそもそもの投資として成り立ちません。
物件価格の高低だけではなく、安定性や入居ニーズ、資産価値から総合的に物件選びを行うことが重要です。

将来の収支に注目

不動産投資は数十年という長期にわたって行うものです。そのため、現時点だけではなく、将来の収支にも目を向けていかなくてはなりません。

それでは、東京の物件と地方都市の物件について、20年後の収益性の違いを見ていきましょう。

  東京都(新宿区) 愛知県(名古屋市) 大阪府(大阪市) 福岡県(福岡市)
賃料/月 92,400円 60,900円 66,900円 56,600円
賃貸管理費※1 3,200円 2,100円 2,300円 1,900円
建物管理費※2 6,000円 6,000円 6,000円 6,000円
修繕積立金※2 8,000円 8,000円 8,000円 8,000円
手取り賃料/月 75,200円 44,800円 50,600円 40,700円

※1 賃貸管理費は賃料の3.5%を想定
※2 総戸数20戸程度の1Kマンションを仮定して算出

管理費や修繕積立金は、マンションの規模や総戸数によって決定されます。
そのため、物件の管理コストのエリアによる違いはほとんどないと言えるでしょう。

つまり、月々の賃料が安ければ安いほど、経費の割合が高くなりキャッシュフローが悪化してしまいます。

不動産投資を始める際には、目先の購入価格や利回りばかりに目を向けるのではなく
将来にわたり費用がどの程度なのか、将来的な手残りはいくらになるのかまで視野にいれて検討しましょう。

残価率にも注目

「不動産投資の成功」にはさまざまなかたちがありますが、
原則としては以下の式が成り立った場合が「成功」といえるでしょう。

物件購入費用(ローン返済負担額)+諸経費  <  運用益(賃料収入)+売却益

不動産投資における出口戦略の一つである、「売却」。

売却を視野に入れるのであれば、購入時の価格に対して売却時にどれくらい価値が残っているかも重要になってきます。

それでは、先ほどの物件価格から、築15~20年の残価率(新築時からどの程度価値が残っているか)を算出してみましょう。

  東京都(新宿区) 愛知県(名古屋市) 大阪府(大阪市) 福岡県(福岡市)
A:新築~築3年 4,142万円 2,466万円 2,145万円 2,080万円
B:築15~20年時 3,561万円 1,101万円 1,571万円 1,239万円
残価率(B/A) 85.9% 44.6% 73.2% 59.5%

東京都の物件は残価率85.9%と他エリアと比較して、残価率がかなり高いことが分かります。
高額で売却できるため、運用益と合わせると多額の手残りを期待できるでしょう。

また、残価率の高さは「売りやすさ」でもあります。不動産は流動性が低く、売りに出したからといってすぐに買い手が現れるとは限りません。残価率の高い物件は買い手から「資産価値が高い」と評価され比較的買い手がつきやすい傾向があります。

不動産投資おすすめエリアは「東京」

東京エリアは、高い運用益や売却益が見込める魅力的なエリアです。

しかし、東京エリアの物件といってもさまざまなタイプがあります。
その中でプロパティエージェントがおすすめするのは「東京エリア近隣のワンルームマンション」です。
東京エリアのワンルームマンションは高い資産価値安定性が大きな魅力です。

人口と供給戸数の関係

家は人が住むものですから、住みたい人がいなければ話になりません。
少子高齢化が進む日本で不動産投資を成功させるためには、今後の人口推移を読み解くことが重要です。

特にワンルームマンション投資を行う場合は、ターゲットである単身者の人口に注目する必要があります。

それでは、東京都区部の単独世帯の人口推移と今後の予測を、全国の数値と比較しながら見てみましょう。

出典:「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)
東京都世帯数の予測 -統計データ- 平成31年3月

※2015年を100%として増加率の予測値を算出

全国の単独世帯数は2030年をピークに減少に転じていますが、東京都区部は増加を続けています。
このことから、東京におけるワンルームマンションの需要は今後も堅調であり、安定した入居ニーズがあり続けると想定できます。

つまり、入居ニーズが高い=空室リスク が高いということです。

ただし、需要の高まりとともにワンルームマンションの供給数も増加した場合、競争が激化し、空室や家賃低下のリスクが高まる恐れがあります。

しかし、東京を中心とした首都圏のワンルームマンション供給数は鈍化しており、供給過多になる確率は低いといえます。

それを裏付けるデータをご覧いただきましょう。

出典:不動産経済研究所 2022年上期及び2021年年間の首都圏投資用マンション市場動向

※累計供給戸数は1988年からの累積

上記のグラフは不動産経済研究所が調査した首都圏投資用マンションの販売数推移をまとめたものです。
投資用マンションは
ワンルームが多いこと、また2021年時に販売された投資用マンションの平均専有面積が26.78㎡とワンルームサイズであることから、ワンルームマンション供給数と近似しているという前提で算出しています。

上記グラフの供給戸数は首都圏のもので、東京都区部に建てられたワンルームマンションに絞ると数はもっと少なくなるでしょう。

仮に全てが東京に建てられていたとしてもワンルームマンションの累計戸数が約18万戸(2020年時)であるのに対し、東京都区部に住む単身世帯は260万人(2020年時予測値)と圧倒的に多く、東京都区部は単身者からの入居ニーズに対して、慢性的に物件の供給戸数が陥っていると考えられます。

入居ニーズ > 供給物件戸数

抜群の入居ニーズがある東京都区部のワンルームマンションは、
空室リスクの低い理想的な投資先であるといえるでしょう。

参考:東京都世帯数の予測 -統計データ- 平成31年3月

なぜ単身者用マンションの供給数が少ないのか

東京における単身者用マンションは需要に対して供給が不足している状態が続いています。
しかし、なぜ東京エリアでは単身者用マンションの供給数が少ないのでしょうか。

儲かると分かっているのであれば、もっとたくさん単身者用マンションを作れば良いはず・・・

実は、単身者用マンションは「作らない」のではなく「作れない」のです。その理由を以下に解説します。

土地不足

東京に単身者用マンションが増えない理由の一つが「土地不足」です。

そもそも東京都は、47都道府県の中で香川県・大阪府に次いで面積の小さな都市です。
その小さな面積の中にオフィスビル・商業施設・マンションなどが立ち並んでいるため、
土地の広さに対しての物件数をみると、「飽和状態」と言えるでしょう。

以下のデータは2022年1月時点でのオフィスビルストック数です。
東京都はその他都市に比べて、土地面積に対して非常に多くのマンションが建設されていることが分かります。

  棟数 棟数 /(100km2
東京区部(619km2) 4,996 棟 約 807 棟
名古屋市(326.4km2) 526 棟 約 161 棟
大阪市(223km2) 1,257 棟 約 563 棟
福岡市(343.4km2) 373棟 約 108 棟

参考:日本不動産研究所 全国オフィスビル調査(2022 年 1 月現在)

また、以下は経済産業省が公表した大規模小売店数です。平成9年時点のデータとやや古いですが、東京都は面積が狭いにも関わらず、商業施設数も非常に多いことが読み取れます。

  店舗数
東京都 1,490
愛知県 1,153
大阪府 1,403
福岡県 913

参考:経済産業省 商業統計 概況 大規模小売店舗内小売商店(商店数)

このように東京は建物が密集していることから空き地が非常に少なく、2018年時点での空地率は全国平均12.8%に対し、東京都は1%程度しかありません

特に空前の不動産投資ブームにより都心の土地争奪戦が過熱している現在、
単身者用マンションの新規建設は非常にハードルが高いものになっているのです。

※参考:国土交通政策研究所紀要第80号2022年 増加する空き地の現状について

ワンルームマンション規制

土地不足に加え、単身者用マンション建設に歯止めをかける要因として「ワンルームマンション規制」があります。

ワンルームマンション規制とは、東京都内の自治体において、単身者用マンションを建てにくくするために設けられた条例です。
規制内容は各自治体で異なりますが、例としては以下のようなものがあります。

・1住戸の専用床面積を25㎡以上とする
・住戸の総戸数が定められた数を超える場合は、ファミリー向け住戸を設置する
・管理人室を設置し、管理人を置く
・住民が住みやすい環境を整えるため、目隠しの設置や防音仕様の導入を行う
・駐車場や駐車スペースを確保する

ワンルームマンション規制には、ターゲットとなる単身世帯(学生や若手サラリーマン)が増えることによる地域環境の悪化防止という目的があります。

ワンルームマンション規制は、現在東京23区全てで導入されており、新たな単身世帯向けマンション建設に歯止めをかけています。

ワンルームマンションを建てるのが困難である一方で、単身者世帯からの入居ニーズは依然として高い。

つまり、不動産投資先として考えると、空室リスク・家賃低下リスクが極めて少ない、魅力的なエリアであるといえるでしょう。

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