【 目次 】
投資用マンションを購入するときには、どのような間取りの物件に投資するのか迷うことが多いと思います。物件比較をしすぎて迷ってしまい、ついつい営業マンから紹介された物件に決めてしまいがちですが、単に予算や投資効果だけではなく、出口戦略まで考えた投資物件の選択が大切になってきます。
今回は、マンションの間取りの中でも1LDKの不動産投資の魅力について紹介します。1LDKは最近になって人気が非常に高まっています。ぜひ今後の投資の参考にしてみてください。
基本:1R、1K、1DK、1LDK、(2LDK)における「間取り」の違い
マンションの間取りには、1R、1K、1DK、1LDKなどがありますが、これらの違いは部屋数と部屋の広さにあります。
1Kと1LDKでは、LD(リビングダイニング)が増えることで床面積が広くなります。
2LDKになると、1LDKよりも一部屋増えるため、さらに広くなります。
部屋数と床面積が増えると、募集賃料が上がっていきます。それに伴って、ターゲットとする賃借人の属性も変わってきます。
学生であれば1Kのマンションで十分ですが、社会人になってある程度の住居費をまかなえる収入を得るようになってくると、1DKや1LDKの人気が高まってきます。
間取り | 広さ | 賃料目安(東京都内) | 主な入居者 |
1R・1K | 16~22㎡ | 6~7.5万円 | 学生一人暮らし |
1DK | 25~35㎡ | 7~9万円 | 社会人一人暮らし |
1LDK | 35~50㎡ | 8.5~12万円 | 社会人一人暮らし、DINKS |
2LDK | 45~70㎡ | 10~18万円 | DINKS、ファミリー層 |
※DINKS(ディンクス):
「Double Income No Kids」の頭文字を並べたもので、共働きで意識的に子供を作らない、持たない夫婦やその生活観のこと。
表に挙げた賃料や入居者はエリアによって異なることもありますが、部屋が広くなるにつれ、入居者の人数や家族構成が異なってきます。投資物件を選ぶ際には、どのような入居者がターゲットとなるのかを考えて、投資価格や賃料が適正であるかをチェックすることが大切です。
人気上昇中!1LDKの不動産投資は時代にマッチしている
不動産投資の中で1R、1Kマンションは、投資価格が低めに抑えられる事、また、市場に売り出されている物件数が多いことから、人気の高い投資物件です。
ですが、最近では「1R」「1K」マンションに続き、「1LDK」マンションの人気が高まっています。
その背景として、コロナウイルス感染拡大の影響により在宅ワークが増えた結果、自宅に仕事場が欲しいという入居者が増えていることが挙げられます。また、外出から帰った時にすぐに手洗いや着替えをしたい、コロナウイルスをリビングや寝室に持ち込みたくないなどの理由から、玄関のそばに洗面室や脱衣室が配置された物件を探す人も増えています。このような需要の受け皿になっているのが1LDKなのです。
新しい生活様式に変わったことで賃貸需要も少しずつ変化してきているため、市場の変化は常に気に留めておく必要があります。
投資用不動産に1LDKを選ぶメリット|3つの魅力とは
1LDKマンションへの投資には、他の間取りにはない、さまざまなメリットがあります。入居者の属性やターゲットの広さの面で有利であるほか、売却時にも実需のニーズを拾える面で優れています。それでは順にみていきましょう。
魅力1:入居者の属性がよく、滞納リスクや部屋利用が安心
1LDKは1R・1Kと比較すると家賃が高額なので、入居者の年収や年齢も高い傾向にあります。その結果、家賃の滞納リスクや、部屋で大騒ぎするなど隣人や階下の住民とのトラブルの危険も少なくなります。
また、退去時にも部屋が比較的きれいに使われていることが多いようです。
魅力2:DINKSも含め入居者ターゲットの幅が広がる
1R・1Kは主に学生や単身者の入居希望者がターゲットになりますが、1LDKになると属性が高めな単身者からDINKSまで入居者ターゲットが広がります。
2LDKの方がプライベートな生活感は高まりますが、DINKS世代はこれから子育て資金や教育資金の貯蓄を視野にいれて住居費を節約する傾向にあり、1LDKも人気です。また、子どもが生まれた場合でも、コンパクトだからこそ、子どもに目が届き安心、という点で住み続ける入居者も多いです。結婚、子どもの有無に関わらず、「適度な広さ」が好まれる傾向にあると言えます。
魅力3:売却時に有利
1LDKを売却する際、買い手として「実需で購入する一般の方」と「不動産投資家」両方が購入者になり得るため、投資の出口を広げることが出来ます。
さらに、実需目的で売却する場合、購入者は住宅ローンを組んで購入する事が可能です。住宅ローンは投資用不動産向けのローンに比べて、一般的には金利が安く長期の返済期間が設定できるために、ローン返済がしやすいという利点があります。そのため、高めの価格設定が可能、というメリットがあります。
また、1LDKならば投資終了時や、空室時には自分で住むという選択肢もあります。
1Kタイプでも自分で住めますが、1LDKの方が収納面や部屋の広さ、間取りの面で快適に過ごせます。
投資物件を売却するタイミングについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
その他:1LDKは供給数が少なく早い者勝ち
不動産市場全体の投資用マンションの戸数で考えると、1R・1Kの供給戸数が一番多く、1LDKの供給量はそれほど多くはありません。
1戸当たりの販売価格を坪単価で考えると1R・1Kの坪単価が最も高いために、マンションデベロッパーは1R マンションを多く開発する傾向にあります。その結果、一部のエリアでは1Rマンションが供給過剰となり、空室が多くなっているところもあるほどです。
また、30㎡以上の住戸となると、購入者が自分で住むためのマンションとして開発されることが多くなり、必然的に投資用としての物件数は少なくなってしまうのです。
知っておきたい!投資用不動産に1LDKを選ぶデメリット
1LDKは、1Kなどと比べてどうしても投資価格が高くなってしまうために、与信枠(融資枠)を圧迫します。同じ投資価格であっても、担保価値の算定方法によっては1Rだと2戸購入できるのに1LDKだと融資枠が無くなってしまったというケースもあり得るため、投資の際には金融機関と綿密な相談が必要です。
また、1LDKが人気だからといって、現物を確認せずに投資するのは好ましくありません。35㎡前後の小さめの1LDKの場合、収納が極端に少なかったり、洗面所や脱衣所が狭かったりと間取りに無理が生じていることもあります。その結果、せっかくの1部屋が収納部屋になってしまうということにもなりかねません。
このような1LDKは売却も困難になってきます。出口戦略をしっかり見据えて物件を選ぶことが大切です。
「2LDKのほうが1LDKより売却しやすい」に騙されない
投資予算に余裕があると、投資用不動産の営業マンから2LDKへの投資を進められることがあります。
「2LDKの方が実需向けのため、1LDKよりも売却しやすい」というのが定番の営業トークのようですが、これには大きな落とし穴があります。
実際は、
2LDKの方が物件価格の面や出口の販売価格の面で不利なことが多く、投資用、実需用ともに売れにくい傾向にあるのです。
2LDKは「投資用」として需要が少ない
■利回りが低いため、投資物件として魅力的でない
2LDKは利回りが低いことが多いため、投資対象としては需要が少ないといえます。
2LDKは1R・1Kや1LDKに比べて床面積が広くなる分、物件価格が高くなる傾向にあります。物件価格は近隣のマンション相場から坪単価を把握し、対象マンションの床面積を乗じて算出されるのが一般的です。従って、床面積が広くなればなるほど物件価格は高くなります。
一方で、物件の賃料は面積が大きくなるのに比例して高くなるわけではありません。
例えば、同じエリアの以下の賃貸マンションの例を見てみましょう。
間取り | 床面積 | 賃料 | 賃料坪単価 |
1LDK | 38.46㎡(11.6坪) | 149,000円 | 12,844円 |
2LDK | 64.26㎡(19.4坪) | 235,000円 | 12,113円 |
いずれもJR中央線・中野駅徒歩5分以内の高級マンションですが、賃料の坪単価をみると2LDKの方が5%程度、低くなっています。床面積が広くなったからといって、その分賃料を上げて利益を出せるか、というと、そういうことでは決してありません。入居者が住居費として使える金額にはおのずと上限があるため、高すぎる賃料に入居者がつかず、かえってマイナスになる、という事もあり得ます。
■売却時に利益が出にくい
投資用マンションと比較して、分譲用マンションの多くは、エントランスといった共用部分が広く、また天井、床、壁といった内装などがハイグレードに作られており、一般的に、投資用物件の価格より、分譲用物件の価格は高くなります。
加えて、築年数が古ければ、さらに割引される可能性もあります。
上記2点を踏まえると、
2LDKは利回りが低くなる傾向にあり、出口戦略においてもメリットが少ない、といえます。
2LDKは「実需用」で売りにくい
投資家の需要をつかめないならば、一般人に実需として販売するということが考えられますが、これも他の間取りに比べて売却しやすいというわけではありません。
2LDKのマンションの居住者はファミリー層が多いため、学校の転校や通勤環境が変わってしまう引越しは極力避ける傾向にあります。そのため、1R・1Kや1LDKに比べて居住者の入居期間が長い傾向にあり、10年以上住み続けることも稀ではありません。
実需で売却するためには、入居者の退去のタイミングで売りに出す必要があります。
ですが、そのタイミングがいつ来るのかわからないということもあり得ます。
そのため、広めのマンションの場合には短期間(2年から3年)の定期借家契約を条件に賃貸募集することも多いですが、定期借家の賃貸需要自体が少ないために空室が続くということもよく見かけられます。
このような理由から、
実需として一般向けに販売活動を行おうとしても、なかなか販売までこぎつけられない、というのが現実です。
投資用2LDKの物件を一般人が見つける難しさ
投資家の中には、グレードの高い分譲中古マンションを市場価格の3〜4割引で購入し、入居者の退去後、リフォームし、転売目的で2LDKを探している人もいます。
しかし、これは投資用不動産を専門に取り扱う不動産会社が、数多くの物件の中からプロの目で選定して投資するものであり、一般の投資家にはかなり難易度が高い投資です。
そもそも、このような物件情報は不動産投資会社などの専門会社でのみ、やり取りされ、一般の不動産投資家にとっては情報をキャッチすること自体がきわめて難しいものです。
また、不動産会社は多くの物件を同時進行で投資するため、なかなか入居者が退去しないリスクも織り込んで投資することができますが、一般の投資家だとそこまでの資金力がある人は少ないため、個人投資家向きではないでしょう。
まとめ
マンション投資は不動産投資の中でも特に人気が高く、不動産市場ではたくさんの投資用物件が取引されています。なかでも人気が上昇しているのは1LDKの間取りの住戸です。コロナウイルスの感染拡大の影響からテレワークが進んだこと、外出自粛が長く続いたことから自宅にいる時間が長くなり、入居者は住環境を重視する傾向にあります。そのため、住居費に余裕のある単身者を中心に、1LDKの人気が高まっています。
2LDKのマンション投資を勧める不動産投資会社もありますが、床面積が広くなればなるほど物件の選択は慎重に行わなければなりません。今回のコラムで挙げたように、売却時にさまざまなハードルが生まれるからです。
投資用不動産を購入するときには、ぜひ人気の1K、1LDKを数多く取り扱うプロパティエージェントへお問い合わせください。豊富な物件資料を用意し、懇切丁寧な説明でお客様のご要望にお応えします。
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