【 目次 】
不動産投資は、うまく運用することができれば大きな収入の軸として機能します。
また、2戸以上の物件を所有する人も少なくありません。
しかし、本当に1人で複数の物件を運営することはお得なのでしょうか。
答えはイエスです。
複数の不動産を所有することで、様々なメリットが得られます。
そこで今回は、複数の物件を運営する不動産投資のメリットとデメリットをご説明します。
実際に複数の物件を所有して成功した事例と、失敗した事例もご紹介しますので、複数の物件への投資を考えている方は、参考にしてみてください。
複数の物件に投資をするメリット・デメリット
複数の物件に投資をするメリットとデメリットを解説します。
複数物件所有のメリット
まずは、複数の物件に投資をするメリットを見ていきましょう。
物件を増やすほど収入・資産が増える
当然ながら所有する物件が増えるほど、それに比例して家賃収入が増加します。
月8万円の家賃収入がある区分マンションを2戸持てば、月16万円、3戸持てば、月24万円の家賃収入が得られる計算になります。
また、不動産は現物「資産」であるので物件を複数所有すればするほど、それだけ多くの現物資産を所有しているということになります。
例えば1部屋3,000万円の区分マンションを2部屋持っていれば、合計6,000万円程度の資産を有していることになるのです。
不動産は、一括で購入する人はほとんどいません。
多くの不動産投資家が、金融機関の不動産投資ローンを活用して購入しています。
ローンを組んで購入した場合は、ローンを完済するまでは純資産とはいえません。ですが、ローンの支払いが完了に近づくほど、所有する純資産が増える、ということになります。
これは「不動産投資のレバレッジ効果」と呼ばれています。
資産が増えるということは、融資を受けやすくなることにもつながり、3戸目、4戸目の物件購入の際のハードルも下がります。
このように、所有する不動産を徐々に増やしていくことが資産を増やすことの近道です。
万が一のリスク分散ができる
物件の場所を分散して複数所有することは、何かあったときのリスク分散が可能に繋がります。
何かあったときというのは、予期せぬ修繕工事が必要になった場合や、大地震などの自然災害が起きてしまった場合などさまざまです。
ではさらに詳しく、複数物件を持つことがどのようにリスク分散につながるのか見ていきましょう。
- 自然災害リスク
大地震や台風、津波などといった自然災害はいつ起こるか分かりません。
どんな土地の物件でも、こうした災害に見舞われるリスクがあります。
万が一自然災害によって所有する物件が倒壊してしまったり、人が住めない状態になってしまったら、家賃収入はなくなってしまいます。
それどころか、家の修繕や建て直しに多額の費用がかかるかもしれません。
しかし別の場所にも物件を所有しておけば、そちらから通常通りの家賃収入を得られる可能性があり、収入が0になることを防げます。
万が一のことを考え、離れた場所に物件を所有することで、災害時のリスク分散につながります。
- 需要減少のリスク
不動産を購入して年月が経つと、物件周辺の様子は変化しがちです。
なかでも地方や郊外のエリアでよく見られるのが、地域の過疎化です。
人口が少なくなり、入居者が減ってしまうという需要減少のリスクが考えられます。
もちろんこのリスクは購入時によく検討するべきですが、数十年も先のことを確実に予想することはできません。
そのため、意図せず需要が減少し、空室が増えてしまうことがあるのです。
このときに別の場所に物件を持っていれば、片方は需要が減ることなく収入を得続けることができるかもしれません。
もしくは需要が上がり、空室率が下がるという可能性もあります。
このように、2戸以上の物件を違う場所で購入すれば周辺環境の変化にも対応しやすいのです。
ローン完済後の収入が倍増する
物件を購入すると、家賃収入の大半はローンの返済に充てることになります。
また、それ以外の収入は管理費や維持費に充てられ、手取りはあまり残らないでしょう。
しかしローンを返済し終えた後は、管理費や維持費の支出以外、すべての家賃収入が自分の収入になります。複数の物件を購入して無事にローンを払い終えることができれば、収入が純増するということです。
仮に1部屋月額10万円のマンション経営を複数していたら、月10万円、20万円、30万円と多くの収入を期待できます。
老後の資金を十分に貯めておきたい方にも、子どもの教育資金を積み立てたい方にも、万一に備えて生命保険効果としても、複数の物件を購入することはおすすめです。
節税効果が期待できる
複数の物件を所有することで、より大きな節税効果が期待できます。
なぜなら、不動産投資は事業として認可が下りれば青色申告特別控除や青色事業専従者といった制度を利用することができるからです。
これらは収入から一定額を控除し、所得税を減税するといった制度です。
複数の物件を購入することは非常に支出が多く大変なようにも思えますが、こうした制度を利用することで節税対策に成り得ます。
追加所有の際のローン見直しで管理がしやすくなる
不動産を追加して所有する際、より低金利なローンに乗り換えることで返済の負担を軽減させることができます。
ただし、ローンを借り換えるには、元のローンの抵当権抹消登記や登録免許税、司法書士報酬がかかります。
具体的には、新たな借入先では以下のような諸費用がかかります。
- 保証料(金額は金融機関による)
- 印紙代(1万円)
- 融資手数料(数万円もしくは借入額の約2%)
- 抵当権設定登記費用(数万円)
このように、追加で物件を所有する際にローン乗り換えの諸費用が最初はかかりますが、金融機関を一社にをまとめることで、利息の支払いと管理の工数が抑えられることはメリットでしょう。
複数物件所有のデメリット
不動産投資がうまくいき、2つの物件に投資をすれば単純計算で収入が2倍になります。
しかし不動産投資はそんなに単純なものではありません。
これからご紹介するデメリットを把握し、慎重に物件を選ぶ必要があります。
修繕リスクが高まる
建物は一定の期間で修繕やメンテナンスを行う必要があり、一度に多額の費用がかかります。
大規模な修繕工事をする場合、万一、大修繕積立金が充分にストックされていないとキャッシュフローが一時的に赤字になってしまうことがあるかもしれません。
また複数物件を保有しているとエアコンや給湯器などのメンテナンスにも費用が重ねてかかる場合があり、一度の支出が大きくなってしまう恐れがあります。
このように、複数の物件を持つことで修繕やメンテナンスのタイミングが重なってしまわないよう、物件選定時に大規模修繕や設備交換コストなどを運用計画にいれて注意しておくことが必要です。
キャッシュフローが悪化するリスクがある
複数の物件を所有すると、状況によってはキャッシュフローが悪化してしまうリスクがあります。
例えば、家賃収入が1か月に10万円の区分マンションを2部屋持っていたとしましょう。
いずれも月に1万円の管理費と、8万円の返済があるとします。
すると、毎月手元に残るのはそれぞれ1万円で、合計2万円です(10万円-1万円-8万円)。
この状態で、あるとき片方の物件が空室になってしまったとします。
基本的には入居者がいなくても管理費は支払う必要があり、ローンの返済は続くものです。
つまりこの場合、空室の物件は月に9万円の赤字になってしまいます(1万円+8万円)。
もう片方の物件の収入の残りは月に1万円で、9万円という赤字を補填できる額ではありません。
万が一、2部屋が同時に空室になり、赤字になってしまった場合はさらに大変です。
月18万円の赤字で収入は0円になります。
このように、入居者がいれば収入が倍になる反面、空室ができると赤字も倍になるのが複数の不動産を持つデメリットです。
キャッシュフローは常に満室の状態で計算するのではなく、周辺エリアの入居率などを加味して、空室ができたときのことを想定しながら考えましょう。
キャッシュフローの基本についてはこちらを参考にしてみてください。
複数の物件に投資した成功事例と失敗事例
不動産投資で複数の物件を持ち、成功した人もいれば失敗した人もいます。
では両者の違いは、一体何なのでしょうか。
ここからは複数の物件を所有し、成功した事例と、失敗した事例を比較してご紹介します。
成功事例はモデルケースとして、失敗事例は悪い見本として、参考にしてください。
これらの事例を踏まえて、複数の物件で確実に収益を出せるようにしましょう。
【成功エピソード】複数の不動産投資で家賃収入が倍に
複数の不動産を所有することで、家賃収入が単純に倍になります。
当然ローンを完済するまでは収入の大半を返済に充てることになりますが、ローンを完済してからは、家賃収入がそっくりそのまま手元に入ります。
所有している不動産が2戸なら2倍、3戸なら3倍と、どんどん資産が増えていく計算です。複数の不動産を所有することで、家賃収入を倍以上にまで増やすことに成功している事例をご紹介します。
ちなみに、複数の物件を所有できるほど金融機関からの融資を受けられるのか、と疑問に思う方もいるでしょう。
当然ながら家賃収入だけで不動産を購入するのは容易ではありません。
そこで使うのが金融機関からの融資です。
金融機関によっては不動産の家賃収入を自身の年収に合算して審査を受けられる場合があるのです。この事例でもその仕組みを利用して融資額を徐々に増やしています。
2戸目を購入する際は1戸目の不動産の収入を自身の年収に合算することで融資枠をキープします。その後も確実に不動産収入が得られれば、これを3戸目、4戸目と繰り返して融資を受けられるという仕組みです。
これにより、この事例では10戸以上の不動産を所有して利益を上げることに成功しています。また、この事例では積極的に繰り上げ返済を行っています。
1戸目の返済を繰り上げて早く終わらせることができれば、完済後の家賃収入を2戸目の返済に回せるからです。
これによりどんどん繰り上げ返済を行うことができ、家賃収入が純増するという仕組みです。
【失敗エピソード】一度に複数の物件で多額の管理費がかかりキャッシュフローが悪化
続いては失敗事例です。
複数の物件で一度に多額の管理費がかかってしまったことにより、キャッシュフローが大幅に悪化し、返済計画が狂ってしまったという内容です。
マンションやアパートなどの共有部分における修繕費は、基本的に修繕積立金として入居者から集めています。
この事例では、修繕積立金が十分に集まっていない中古物件を購入したため、建物の老朽化に対してメンテナンス費用が貯まっておらず、そのため想定外の持ち出しのお金で建て替えることになりました。
このようなことがあると、キャッシュフローが大幅に悪化してしまい、場合によっては赤字になってしまいます。
さらにこの事例では悪いことに、所有している2戸で同時に修繕費用がかかってしまいました。
建物は15年を目安に、共有部分の大規模な修繕工事が必要だとされています。
また、専有部分の給湯器やエアコン、浴室乾燥機などといった設備の寿命は約10年です。
こうした節目が重なってしまうと、複数の物件で多額の出費が必要になります。
同じエリアに物件を持つと地震や洪水などといった自然災害の被害を一度に受けてしまう可能性があります。
2戸目の物件を購入する際は、築年数や立地、設備の状況などを事前確認し、運用計画を立てることをおすすめします。万一、キャッシュフローが想定以上に悪化してしまった場合、オーナーは物件を手放さざるを得ません。
安く物件を売却すると、その物件は低価格で利回りが高いという触れ込みで売り出されます。その結果、条件の良さに飛びついたオーナーが前任のオーナーと同じ状況に陥るということにつながりかねません。
表示上の条件の良さに惑わされず、なぜその物件がその条件で販売されているのかを探るようにしましょう。
まとめ
不動産投資で複数の物件を所有する場合のメリットとデメリットについてご紹介しました。複数の物件を持つことはメリットが大きく、収益を拡大することにもつながるためおすすめです。
しかし一度失敗してしまうと、取り返しのつかない大赤字を出してしまうというリスクも潜んでいます。このようなことにならないために、物件選びは慎重に行うようにしましょう。
また、2戸目は1戸目と同じ条件の物件ではなく、立地条件や築年数、間取りなどの異なる物件を選ぶことでリスクヘッジになります。特に2戸目は慎重に選定を行い、1戸目以上に収益の上がる物件を購入することがポイントです。
コツをふまえれば、3戸目以降の購入も夢ではありません。
ぜひ、今回のメリット・デメリットを熟知し、不動産投資の成功を実現させてください。
プロパティエージェントでは、他社物件の買取りや、運用状況についての相談も行っております。これから不動産投資を検討される方はもちろん、所有戸数を増やす検討をされている方はぜひ一度、ご相談ください。
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