【 目次 】
中古マンションは新築マンションに比べ値段が安く、投資しやすい物件といえます。
また新築物件に比べて利回りが高い傾向にあるのも、中古マンションの特徴です。
しかし、中古マンション投資はこのようなメリットがある反面、投資の失敗を招くあらゆるリスクが付き物です。どのようなリスクがあるのか知らないまま投資をしてしまうと、結果的に赤字になってしまうことが考えられます。
そこで今回は中古マンション投資におけるリスクとリスクを最小限に抑え、投資に失敗せず利益を上げるためのコツを詳しく解説します。中古マンション投資に失敗してしまった事例も含めて詳しく説明するので、投資をお考えの方は必見です。ぜひ中古マンション投資の参考にしてください。
中古マンション投資におけるリスク
どんな投資にも、当然ながらリスクが存在します。
中古マンション投資も例外ではありません。
しかしリスクをあらかじめ知っておけば、未然に投資の失敗を防ぐことができます。
まずは中古マンション投資にどのようなリスクがあるのか、見ていきましょう。
収入が得にくいリスク
不動産投資において欠かせないのが家賃収入です。
家賃収入がなければ、当然利益を出すことはできません。
中古マンションの場合は、新築の物件に比べて家賃収入が得にくいリスクが高い傾向にあり、その理由は主に2つあります。
1つは、物件を探す人にとって中古物件よりも新築の物件のほうが魅力的だからです。
例えば、隣接して中古のマンションと新築のマンションがあったとします。
家賃の条件を抜きにすれば、同じような部屋の広さ、間取り、スペックであればやはり多くの人がきれいな新築のマンションを選び、中古物件の入居率は新築物件と比較をすると低くなる可能性が高いでしょう。
もう1つは、中古マンションでは家賃を低く設定する傾向にあることです。
中古マンションにも関わらず新築と同じような家賃を設定してしまうと、なかなか人が入らないことが予想できます。
そこで新築より安い家賃を設定することで利用者に対し、家賃の安さでメリットを感じてもらい、入居者を増やすことができます。
しかしこの場合、家賃が安い分、薄利になってしまう可能性があります。
以上の理由から、中古マンションは新築のマンションよりも収入が得にくいリスクが高いといえるでしょう。
物件価格の下落によるリスク
物件の価値は、家賃や築年数に比例して下がります。
つまり将来的に物件を売却する際、赤字になってしまうリスクがあるということです。
これは新築のマンションへの投資においても同じですが、中古マンションの場合、既に不動産価値が下がっているところから、さらに価値が下がるので、より価格下落のリスクが高いのです。
また、抵当権のある物件を売却するには、ローンを全て払い終える必要があります。
売却した価格がローンの残金よりも少なかった場合、その差額は自身で補填しなくてはならず、その際まとまったお金がなければ売却できずに不動産を所有し続けることになります。
さらに、売却の時期が延びるほど、固定資産税の出費などもかかってしまいます。
このような状態では、不動産投資は失敗です。
中古物件に投資するときには、不動産価値が下落する可能性を知っておかなければなりません。
抵当権つきの物件売却については以下の記事にまとまっています。
関連記事:根抵当権つきの不動産を売却・抹消する方法と気をつけるべきこと
修繕費などの出費がかさむリスク
マンションへの投資には、マンションの清掃や設備の点検、修理などに管理費用がかかります。
マンションの建物や設備は築年数を重ねるほど老朽化するため、この管理費用がかさむリスクが高い傾向にあります。
老朽化するということは、設備の故障などといったトラブルが発生しやすいということです。
大掛かりな修繕やエレベーターなどの機械の交換には、多額のお金がかかります。
また、入居者を増やすためにもともとの設備を交換する必要があるかもしれません。
購入した中古マンションの設備があまりに古い場合、入居者は増えないでしょう。
物件をより魅力的に感じてもらうためにも、最初にこうした費用がかかる可能性があります。
いくらマンションの物件価格が安くて、高い利回りが得られるように見えても、結果的に管理費用で赤字になり、投資に失敗してしまうリスクがあるのです。
実際に中古マンション投資で失敗した事例
【失敗エピソード1】購入してすぐに設備の修繕で大きな出費が発生
築10年以上の中古ワンルームマンションを5部屋、購入した事例です。
マンションには、建設当初からの設備がそのまま設置されていました。
中古ということで物件の価格はその土地の平均相場より安く、利回りも良い物件です。
しかし購入後にエアコンや給湯器といった設備が、各部屋で次々と壊れ始めたのです。
それもそのはず、こうした設備の寿命はどれもおよそ10年といわれています。
つまりタイミング悪く、購入直後にあらゆる設備が寿命を迎えてしまったのです。
エアコンの交換費用の目安は1部屋あたり5~6万円で、給湯器は10~15万円とされています。
全て交換することになると50万円以上かかる計算です。
結果的に、このマンションの投資では早々に予期せぬ大きな出費が発生し、資金繰りが計画から大きくズレ、投資は大失敗に終わってしまいました。
この事例ではエアコンと給湯機が故障しましたが、ほかにもガスコンロや水回り、浴室乾燥機などといった設備の故障が考えられます。
中古マンションを購入する際は、設備の設置年数や交換のタイミングをあらかじめチェックしておくと良いでしょう。
もし購入後すぐに修繕や交換が必要な場合は、その費用も含めて利益の計算をしておくと安心です。
【失敗エピソード2】家賃保証を過信してローンを返済できなくなった
家賃保証の見直しにより、ローンの返済が難しくなって投資に失敗してしまった事例です。
家賃保証とは、万が一家賃の滞納や未払いがあった場合や、空室ができてしまった場合に、家賃保証会社が一定の家賃を保証してくれるというものです。
つまりこのシステムを利用することで、空室によって収入が減るリスクが抑えられます。
しかし家賃保証は基本的には2年に一度見直しがある場合がほとんどです。当初の保証家賃額が永久的に維持されるとは限りません。
この事例の場合、購入から2年後の見直しで保証家賃額が引き下げられました。
その結果、ローンの返済計画が狂ってしまい、返済が難しくなってしまったのです。
このように、家賃保証を過信するのは危険です。
家賃保証に頼らず、自ら空室リスクを抑えるよう努力し、未払いなどがないように経営を行うことが理想です。
家賃保証に関する詳しいリスクについては以下記事もあわせて参照ください。
関連記事:本当に安心?家賃保証契約(サブリース)の落とし穴
中古マンション投資で利益を上げるコツ10選
ここまで中古マンション投資におけるリスクや、失敗事例をご紹介しました。
では中古マンション投資で確実に利益を上げるには、一体どうすれば良いのでしょうか。
ここからは中古マンション投資で失敗しないためのコツ10選をご紹介します。
ぜひこれからご説明する内容を参考に、不動産投資にチャレンジしてみてください。
幅広く情報収集をする
良い中古マンションと巡り合うためには、物件の情報収集に力を入れる必要があります。
そのためには、まず物件探しのポータルサイトをチェックしましょう。
具体的にはSUUMOなどのサイトです。
また、1サイトだけでなく複数のサイトに登録することをおすすめします。
面倒にも思えますが、情報は多ければ多いほど比較検討において有利です。
例えばSUUMOとHOME’Sの両方に登録をするなど、幅広く物件を検索しましょう。
不動産会社や仲介業者においても同様です。
1社だけに頼りきりにならず、さまざまな会社から情報を収集しましょう。
各社から物件情報や不動産に関する知識を得ることは、将来の不動産経営における武器になるでしょう。
過疎地域の物件を選ばない
不動産投資において重要なのは、いかに安価な物件を購入するかではなく、空室期間を作らずに確実に家賃収入を得るかが重要です。
つまりマンションの需要があまりない地域や、人口が少ない地域に物件を購入しても意味がありません。
よく見かけるのは、都市部から離れた地方で販売されている格安の中古マンションです。
物件価格が安く「高利回り」という表示があれば、魅力を感じる方も多いでしょう。
しかしそれだけで物件への投資を決めてしまうのは時期尚早です。
まだ投資失敗のリスクが高いといえます。
今はある程度の人口が住んでいる地域でも将来的に人が減り、過疎化してしまう可能性があります。そうなると、当初想定していた家賃収入が計画通りに得られなくなってしまうかもしれません。
そのため中古マンションは、これから人が増えそうな場所で購入するのがおすすめです。
高利回り物件の攻略法については以下記事を参照ください。
関連記事:高利回り投資物件の特徴と失敗しないための攻略法
家賃収入が低い物件は選ばない
当然ながら、家賃収入は高いに越したことはありません。
しかし、中古のマンションだと「この家賃で本当に人が入ってくれるのか」という疑問を抱くこともあるでしょう。
地方では、家賃3.5万円といった中古マンションも少なくありません。
しかしこれでは経営の収支バランスが悪くなり、結果的に投資の失敗に繋がります。
家賃に関わらず毎月の管理費用や修繕費、固定資産税などが必要になるため、家賃は6万円以上を目安にするのがおすすめです。
家賃が安ければ安いほど薄利での経営になり、大きな工事が必要となった場合にまとまったお金が出せなくなってしまうケースがあります。
中古のマンションであっても、あまりに家賃の低い物件は選ばないようにしましょう。
物件の種類はワンルームが無難
区分の投資物件を選ぶ際、ファミリー向けの物件かワンルームかで悩む人は少なくありません。
この場合、おすすめなのはワンルームです。
一見、ファミリー向けの物件のほうが1ヶ月の家賃が高く、魅力的に思えます。
しかし単身者に比べ、ファミリー向けの物件は空室リスクが高いです。
転勤などを伴わない限り、子供を連れての引っ越しはあまり行わないため、ファミリー向けの物件で空室ができてしまうと、次の入居者が入るまでに長い時間が空いてしまう可能性があるのです。
一方、ワンルームの場合は入居者の入れ替わりが早く、空室になってもすぐに入居者が見つかる傾向にあります。
また、間取りにおける注意点もありますので、こちらの記事を参考にご確認ください。
関連記事:不動産投資家必見!マンションの資産価値は間取りで決まる!?
1981年以前に建てられた物件は要注意
1981年に、新耐震基準という基準が設けられました。
これは以前の基準よりも、より一層地震に強い建物を建てるための基準です。
1981年よりも前に建てられた物件の場合、建築基準が新耐震基準に基づいていないため、入居者を募る前に耐震工事を行わなくてはならない可能性があります。
新耐震基準の詳細についてはこちらをご覧ください。
関連記事:新耐震基準と旧耐震基準の違いは?大地震には耐えられるの?
また、築15年以上経過している物件も同様です。
一般的に、マンションは築年数が15年を超える頃に大規模な修繕工事を行います。
通常、こうした修繕工事は修繕積立金から支払われますが、物件によってはこの積立金がきちんと集金できていないケースがあります。
中古マンションを購入する際は、築年数や耐震工事の状況に加え、修繕積立金のストック状況についても確認しておきましょう。
修繕積立金の役割や基本情報については以下記事を参照ください。
関連記事:修繕積立金がない物件購入による不動産投資の失敗例
入居者になったつもりで物件を選ぶ
空室を作らないためには、多くの人から魅力的に思われる物件を選ぶ必要があります。
そのためには間取りや設備、家賃だけでなく、「駅からのアクセスの良さ」や「治安」などといった周辺環境までチェックする必要があります。
例えば、駅に近く一見便利に思える物件でも実際に住んでみると、電車の音がうるさいといったデメリットがある場合があります。
そこに住む人の目線で物件を選べば、空室になりにくい物件を探し当てることができるでしょう。
また、自身の価値観で検討するだけではなく、マンションの口コミサイトやSNSなどを利用して実際に住んでいる人の声をチェックするのもおすすめです。
第三者の客観的な口コミは、物件選びにおける大きなヒントになるでしょう。
物件が販売されている理由を探る
「この物件がなぜ販売されているのか」という理由を、はじめから考える人は少ないでしょう。
しかしこの理由を探ることで、物件の思わぬ落とし穴に未然に気付くことができます。
これは投資に失敗するリスクを抑えることにもつながります。
立地が良く価格も低く利益が出る、といった文句なしの物件はほとんどありません。
稀にそのような物件があったとしても、そんな魅力あふれる物件を不動産会社が手放すわけがないのです。
プロの判断は迅速で、個人投資家よりも早く情報をキャッチし、購入を決めてしまいます。
つまり販売されている物件というのは、何らかの理由があって販売されているということなのです。
例えば築年数が経って老朽化が進んでしまったなどの理由が挙げられます。
ほかにも、ファミリー向けのマンションにも関わらず、単身者が多い地域にあることが理由で空室が多い、といった事情がある物件も少なくありません。
このように、物件が売られている理由を探ることで、購入してから失敗に気付くことが少なくなります。
物件に不具合や故障がないか確認する
物件を購入する前に入念に確認しておきたいのが、不具合や故障です。
物件そのものに問題がないかどうかをチェックしておく必要があります。
具体的には雨漏りや水漏れがないか、カビが生えていないか、シロアリの害はないかなどが挙げられます。
ほかにも備え付けの設備が故障しておらず正常に稼働することを確認しましょう。
一般的に中古マンションの場合、こうした不具合や故障を補填する「瑕疵担保責任」の期間は数ヶ月に設定されることが多いです。
つまり数ヶ月以内に不具合を見つけて報告を行わなければ、期間後の修理やメンテナンスは全て自己負担となってしまうのです。
後から思わぬ不具合に気づくといったことがないよう、あらかじめ確認することが重要です。
瑕疵担保責任についての基本情報はこちら
関連記事:瑕疵担保責任、隠れた瑕疵とはどんなもの?2020年4月民法改正の内容も解説
物件のメンテナンスについて確認する
購入前の物件がきちんとメンテナンスされているかどうかは非常に重要なポイントです。
例えば共用のエレベーターや階段の掃除が行き届いておらず、汚い状態だとしたら入居者は不快に感じるでしょう。
結果的に退去率を上げることにも繋がりかねません。
エレベーターや消防設備、浄化槽の点検実施状況なども確認しておくと良いでしょう。
こうしたメンテナンスが行われていない、またはその履歴がない物件は選ばないことをおすすめします。
価格交渉をする
物件の購入価格は安いに越したことはありません。
一般的に、物件の表示価格は少々高めに設定されているため、価格交渉をすれば応じてもらえるケースがほとんどです。
もちろん、むやみに価格を下げることを要求するのでは、お互いに気持ち良く取引を進められません。
検討している物件のデメリットといえる部分を整理したうえで、価格交渉にのぞみましょう。
正当な理由があれば、交渉に応じてくれるはずです。
言い値で購入するのも悪くありませんが、スムーズに交渉ができればより安く、そして気持ち良く物件を購入することができます。
まとめ
中古マンション投資における失敗のリスクや、成功のコツをご紹介しました。
中古マンションの運営には、空室率を下げること、事前に管理費や状況を把握しておくことが重要です。
また、多くの人が入居することが期待できる場所で物件を購入しましょう。物件を選ぶ際には入居者が気にする条件をシビアにチェックする必要があります。
ぜひ多くの人に「入居したい」と思われるような物件を選び、中古マンション投資を成功させてください。
中古マンション投資に関する基本についても参考にしてみてくださいね。
関連記事:購入前に知っておきたい!中古マンション投資のメリット・デメリット
関連記事:中古ワンルームマンション投資で「失敗する人」「成功する人」の違いとは?
関連記事
記事検索
Search
記事カテゴリ
Categories
記事タグ
Tags
- メリット
- 税金
- サブリース
- 立地
- 公示地価
- 不動産投資
- 再開発
- 法人化
- IRR
- 固定資産税
- アパート
- 資産運用
- ワンルームマンション投資
- 分散投資
- 不動産取得税
- マンション
- 入居率
- ROI
- 区分マンション
- セミナー
- 地方
- シミュレーション
- 購入
- 競売物件
- 新築マンション投資
- 都心
- 貯金
- 控除
- 不動産投資ローン
- 投資
- 賃貸管理
- デメリット
- 火災保険
- 住宅ローン
- 医師
- 建物管理
- 金融商品
- 不動産投資セミナー
- 修繕積立金
- 成功
- 確定申告
- 収益物件
- 東京23区
- ローン
- 空室
- 年末調整
- 新耐震基準
- 不動産投資市場
- サラリーマン
- 国税庁
- 不動産会社
- 物件選び
- 不動産クラウドファンディング
- 利回り
- 不労所得
- オーナー
- 贈与税
- 不動産特定共同事業法
- 保険
- 団体信用生命保険
- 小口化
- 相続税
- 新築ワンルームマンション投資
- 節税
- 金利
- 初心者
- 中古マンション投資
- 副業
- リスク
- 人気物件
- 減価償却
- NPV
- オーナーチェンジ
- 家賃収入
- 失敗
- 耐用年数
- 投資用マンション
- FIRE
- 限定情報配信中
-
リスク対策法、節税・確定申告の方法など不動産投資に役立つ情報を配信中
お得な限定情報を受け取る
- LINE@はじめました
-
運営会社
Company