【 目次 】
分散投資とは、文字通り分散させて投資を行い、投資におけるリスクを減らす投資方法です。ただし、分散するとは言っても、ただ闇雲に投資先を分散させても成功しません。ここでは分散投資の実際の方法や、そのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
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分散投資とは?
分散投資とは、投資先をいくつかに分散させて、リスクを減らす投資方法です。一つの株の銘柄や通貨だけに投資していると、その価格が下落してしまった場合、大きな損失が出てしまいます。
一方、同じ額を複数の投資商品に分けて投資を行っていれば大きな損失は発生しにくくなります。なぜなら投資先のうち一つの価格が下落してしまっても、一つあたりに投資している金額は少なく、その分損失が少ないからです。
それどころか、一つが値下がりしてもほかの商品の価格が上昇すれば、結果として利益を得られるかもしれません。分散投資は個々の損失額を減らし、他の利益で損失を補填することで、損失を低減できるのです。分散投資はリスク管理が重要な投資の世界で、非常に有効なリスク回避法の一つだと考えられています。
分散投資には大きく分けて”地域の分散”、”時間の分散”、”通貨の分散”、”商品の分散”という4つの考え方があります。
まず”地域の分散”とは、一つの国の投資商品にのみ投資するのではなく、様々な国や地域の投資商品に投資することで、一つの国の経済あるいは政治情勢の悪化による損失リスクを回避するという考え方です。
次の”時間の分散”とは、一度に投資をするのではなく時期をずらして複数回に分けて投資をすることで、時間に伴う価格変動による損失を避けるという考え方です。
続く”通貨の分散”とは、文字通り外国為替投資を行う場合に、一つの通貨だけではなく、複数の通貨に投資を行うことで地域の分散と同じ効果を得ようとする考え方です。
最後の”商品の分散”とは、株や債券、不動産、為替など、様々な商品に投資することによって、一つの分野の業績不振による価格下落のリスクを避けようとする考え方です。
このように、分散投資はただ闇雲に投資先を分散させるものではなく、理論的な考え方に基づいて投資対象を判断する賢い投資方法なのです。
不動産の分散投資の方法
一般的に、分散投資の考え方は株式などが中心ですが、同じ考え方を不動産投資に応用することも可能です。先ほどの分散投資の4つの考え方を当てはめてみましょう。不動産投資に対して適用できるのは地域の分散、時間の分散、そして商品の分散です。
地域の分散を意識した分散投資を行うには、一つの地域の物件のみを保有するのではなく、離れた場所にも物件を保有することが最も単純かつ効果的です。もちろん、関東在住の方が北海道や関西、九州に物件を保有することは、物件の管理など様々な観点から困難です。
しかし例えば首都圏なら、東京都内に一棟と神奈川県あるいは埼玉県に一棟という投資法は現実的と言えます。同様に阪神都市圏ならば神戸市に一棟と大阪市に一棟という投資方法がありえます。少し離れた場所の物件に投資すれば、一方の地域で問題が生じ物件価値が下がってしまっても、もう一つの物件でカバーすることができます。
時間の分散についてはどうでしょうか。不動産投資における時間の分散は、一番容易な分散投資の手法です。一つの物件を購入した後にしばらく様子を見て、周囲の物件価格や自分の保有している物件価値の急激な変動がないことを見極め、頃合いを見て次の投資に進むだけで達成できます。
最後の商品の分散は、投資する物件の種類を変えることで達成できます。一口に不動産投資と言っても、保有できる不動産の形は様々です。経済状況や、政策、流行によってどのような物件の人気が高まるのかは異なってくると考えられます。
部屋の間取りや、それ以外の特徴など、様々な異なる形の不動産に投資することで、一種類の人気の低下による損失を防ぐことができます。
特に不動産投資を行う方は、長い期間にわたって投資を続けることになるでしょう。長期間にわたって安定した投資を継続したいという場合には、今現在保有している、あるいはこれから保有しようとしている物件に投資先を限定せず、分散投資先を探してみるのも良い選択です。
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分散投資のメリットは?
分散投資の一番のメリットは、リスクを低減できることにあります。複数の投資商品に資金を分散させれば、どこかで価格の下落が起こっても損失は少なく、他の商品の利益で損失をカバーすることもできます。投資において最も注意しなければならないリスク管理の側面から見ると、分散投資は非常に有効な手段の一つなのです。
特に不動産は非常に高額な商品であるため、リスクには敏感であるべきです。物件を購入し投資を始めても、結果として入居者数が伸び悩んだり管理費がかさんだりしてしまうと、非常に大きな損失が発生してしまいます。もし銀行へのローンの返済が追い付かなくなれば、物件だけでなく銀行からの信用も失ってしまいかねません。
そのため高額な物件を購入して投資を始めるのではなく、比較的安価な物件を選択し、複数の物件に分散して投資を行う手法が有効になります。こうすれば、一方で何かトラブルが発生してしまった場合にも損失を最低限に抑えることができます。
不動産投資は比較的価格変動等による損失のリスクが低いと言われています。その一方で、投資を始めるときの最低金額は株や債券等の金融商品とは比べ物にならないくらい高いものです。それゆえ、失敗してしまったときの損失も相応に大きいことを留めておかなければなりません。
したがって、投資の基本の一つではありますが、リスク管理については特に考慮し、様々なリスク回避の手段を講じておかなければなりません。初期投資額をなるべく減らし、生じうる損失を可能な限り低くするという観点では、不動産投資を行うにあたって分散投資を導入するのはとても良い選択なのです。
その中でも、特に分散投資を行う場合おすすめなのがワンルームマンションです。アパートを一棟買うと相当高い値段になってしまいますが、ワンルームマンションならばさほど高い金額にはならず、金銭的な負担も少ないです。また、のちに述べるデメリットのうちの一部も解消することができます。
分散投資のデメリットと注意点
一方で分散投資にもデメリットがあります。分散投資の最大のデメリットとして挙げられるのは、投資した商品の管理が煩雑になってしまうことです。地域も種類も違う商品を複数所有していると、どの商品の価格が上昇していてどの価格が下落しているのかを常に正確に把握することが難しくなってきます。
せっかく値上がりしていた商品があっても見逃してしまい、大きな利益を逃してしまうこともあるでしょう。利益を逃してしまうのも避けたくはありますが、さらに悪いシナリオとして、商品の価格の下落に気づかないまま、大きな損失が出てしまうケースも考えられます。
また、特に不動産で分散投資を行うために複数の物件を購入するとなると、安価な物件を購入しなければならない点はデメリットでもあります。価格の低さにはそれ相応の理由があります。そのような物件を貸し出しても、借りたいという人はなかなか現れないかもしれません。
その場合、結局分散投資せずにより良い物件に投資したほうが大きい利益が出た、あるいは損をしなかったという皮肉な事態に陥ります。安物買いの銭失いになってしまうケースも少なくないという点が2つ目のデメリットです。
さらに不動産投資で分散投資を行うと、元手が膨らんでしまうことがあります。いくら安いものを選んだとしても、不動産物件は気軽にお金を財布から出して購入できるような金額ではありません。複数の物件を買うとなると、相当大きい金額になってしまうのは避けられません。
株や債券で分散投資を行う場合はあまり問題にはなりませんが、不動産で分散投資をすると、元手とする資金が想定以上に膨らんでしまうことがあるのです。
最後に、分散投資では大きな利益を上げられるチャンスが少ないというのもデメリットの一つです。一つの商品だけに集中して投資をしていれば、その商品の価格が上がれば大きな利益を得ることができます。
一方分散投資で投資額を少なくすれば、確かに価格が下落したときの損失は少なく済みますが、裏を返せば利益も大きくなりにくいのです。もちろん、長期にわたって安定した安心できる投資を求めているのであれば大きなデメリットではありませんが、投資から大きい利益をあげたいと考えている方にとっては、これは大きなデメリットであると言えるでしょう。
J-REITとは
不動産投資の一種の形態として、J-REITというものがあります。これは、「Japan Real Estate Investment Trust」の略称であり、アメリカにあるREITというシステムの日本版です。投資の対象は不動産ですが、法律的には名前にもある通り投資信託の一種です。
J-REITは、法律上は「不動産投資法人」であり、不動産投資法人として投資証券を発行します。投資家はこの投資証券を購入し、J-REITはそれによって得た資金を元手に不動産物件を購入します。
法律上、J-REITは不動産資産の運用などの実質的な業務を行うことができないため種々の業務は別の会社に委託されますが、不動産投資によって得られた利益はJ-REITにて必要経費などを差し引いたのち投資証券を保有している投資家に分配されます。これがJ-REITの仕組みです。
J-REITに対しては法律上の特例がいくつか存在し、一般的な企業と同様に証券取引所に上場しているものの、投資証券保有者に対する総分配金が収益の90%以上の場合法人税が実質的にかからないため、一般的な株より多い分配金が期待できます。
J-REITの最大の特徴は、物件を一つ買うほどの多額の資金がなくても不動産投資が可能であるということです。そのため、分散投資を検討しているものの資金が足りず二つ目の物件を購入するのは厳しいという場合でも、J-REITを上手に活用することで不動産の分散投資が可能となります。
また、これ以外の不動産の分散投資におけるデメリットも解消することができます。安価な物件を無理に選択する必要がなくなるうえ、J-REITの投資分については物件管理を自分で行う必要は一切ありません。J-REITを用いることで、不動産の分散投資はずいぶん容易になります。
関連記事:REIT(リート)と不動産投資、サラリーマンに有益な投資はどっち?
まとめ
分散投資は、複数の商品や投資先に資金を分けて投資することで、価格変動などによって生じる損失を抑える投資法です。特に不動産投資のような高額の投資では、分散させることで一棟あたりの金額を減らし、リスクを減らすことができる点で非常に優れています。
一方で一つの物件にかける金額を減らせば物件の質が低くなり、結果として利益が上がらなくなったり、管理が煩雑になってしまったりするデメリットもあります。一つ一つのメリット・デメリットを自分の目的や状況と合わせて精査し、様々な形態の不動産の分散投資法を検討してみると良いでしょう。
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