【 目次 】
「ドルコスト平均法」という言葉を聞いたことがありますか?
ドルコスト平均法とは、特定の金融商品を、毎月決まった金額の分だけ購入する投資手法のことです。
(定額購入法といわれることもあります)
ドルコスト平均法は支払う金額が一定であるため、金融商品の一口あたりの価格が安い時に多く購入し、逆に価格が高い時には少なく購入することになります。
その結果、金融商品を購入する単価を低く抑えることができるのです。
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ドルコスト平均法が用いられる主な金融商品
こうしたドルコスト平均法が用いられるのは、主に以下のような金融商品です。
投資信託
投資信託とは、多くの投資家から資金を集め、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、その成果が投資額に応じて分配される金融商品のことです。
株式累積投資
株式累積投資とは、毎月定額で株式を購入する投資方法のことです。
純金積立
毎月一定額で金を少しずつ購入する投資方法のことです。
金以外に、銀やプラチナなどの積み立てもあります。
外貨MMF
外貨MMFとは、円を外貨(ドルやユーロなど)に両替し、外国の国際や社債で運用する金融商品のことです。
(MMFとは、「マネー・マーケット・ファンド」の略です)
上記以外にも、会社の持株会などもドルコスト平均法が用いられることが多いです。
このような、ドルコスト平均法を用いた投資は、一般的にリスクが少なく初心者にオススメといわれています。
しかし、ドルコスト平均法には、機会損失につながる恐れや取得コストがかかるなどのデメリットもあるのです。こうしたデメリットを正しく理解せずにドルコスト平均法に基づく投資を続けていると、思わぬ損害を出してしまう可能性もあります。
そこで今回は、ドルコスト平均法を正しく理解していただくために、ドルコスト平均法のメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
ドルコスト平均法のメリット3つ
まずは、ドルコスト平均法のメリットからお伝えします。
それは、以下の3つです。
①定量購入と比べて平均取得価格が安く、高値で購入するリスクがない
②相場感がなくても投資を始められる
③投資の恐怖心を和らげる
メリットの理由を説明していきます。
ドルコスト平均法のメリット①
定量購入と比べて平均取得価格が安く、高値で購入するリスクが下がる
先ほど、ドルコスト平均法は、定額で購入する仕組みだと説明しました。
そのメリットをお伝えするために、同じ金融商品を定量購入する場合と比べてみましょう。
【ドルコスト平均法(定額購入の場合)】
ある金融商品を毎月1万円分、1年間購入します。
【定量購入の場合】
ある金融商品を毎月10口分、1年間購入します。
そして、金融商品の価格が、以下の図のように変動したとします。
すると、最終的にはどのような差ができたでしょうか。
ドルコスト平均法 | 定量購入 | ||||
月 | 価格(1口あたり) | 購入口数 | 購入費用 | 購入口数 | 購入費用 |
1月 | ¥1,000 | 10.0 | ¥10,000 | 10 | ¥10,000 |
2月 | ¥1,100 | 9.1 | ¥10,000 | 10 | ¥11,000 |
3月 | ¥1,000 | 10.0 | ¥10,000 | 10 | ¥10,000 |
4月 | ¥900 | 11.1 | ¥10,000 | 10 | ¥9,000 |
5月 | ¥1,200 | 8.3 | ¥10,000 | 10 | ¥12,000 |
6月 | ¥1,000 | 10.0 | ¥10,000 | 10 | ¥10,000 |
7月 | ¥800 | 12.5 | ¥10,000 | 10 | ¥8,000 |
8月 | ¥1,100 | 9.1 | ¥10,000 | 10 | ¥11,000 |
9月 | ¥1,000 | 10.0 | ¥10,000 | 10 | ¥10,000 |
10月 | ¥800 | 12.5 | ¥10,000 | 10 | ¥8,000 |
11月 | ¥700 | 14.3 | ¥10,000 | 10 | ¥7,000 |
12月 | ¥900 | 11.1 | ¥10,000 | 10 | ¥9,000 |
合計 | 128 | ¥120,000 | 120 | ¥115,000 | |
1口あたりの購入金額 | ¥937.3 | ¥958.3 |
※ドルコスト平均法では購入費用、定量購入では購入口数が固定されていますので、グレーの色をつけています。
上記の図にも記載していますが、最終的には以下のような結果となりました。
【ドルコスト平均法】
128口を12万円で購入し、平均購入金額は937.3円/口
【定量購入】
120口を11万5000円で購入し、958.3円/口
ドルコスト平均法が、定量購入よりも1口あたりの購入金額が安くなったのです。
なぜ、このような結果になるかというと、金融商品の価格が下がったときに多く金融商品を購入できるからです。最終的に、投資としてプラスになるかどうかは売却時の金額によりますが、ドルコスト平均法では、金融商品の価格が高い時に購入しすぎるというリスクは避けられます。
ドルコスト平均法のメリット②
相場感がなくても投資を始められる
先ほど説明したように、ドルコスト平均法は毎月の購入金額が一定であるため、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く購入することができます。
そのため、以下のような失敗がなく、相場感がない投資初心者にも始めやすいのです。
・「まだ安くなりそうだから待とう」と思っているうちに高値になり、購入できなかった
・「まだ高くなりそうだから待とう」と思っているうちに安値になり、売り損ねてしまった
ドルコスト平均法のメリット③
投資の恐怖心を和らげる
私たち人間の脳は、得をすることよりも損をすることに敏感であるという特性があります。
この心理は、行動経済学では「損失回避」と言われます。
(行動経済学とは、人間の心理や感情による社会現象や経済行動の分析を行う経済学のことです)
この損失回避について説明します。
たとえば、“アタリがでれば1万円もらえ、ハズレをひくと1万円支払う”というくじがあったとします。
アタリとハズレの出る確率が半々だったとしたら、あなたは、くじを引きますか?
こうした選択を迫られると、くじをひかないという選択肢をとる人が多いのです。
なぜなら、1万円を得することよりも、1万円を損することの方を避けたいという心理が働くからです。
人間は損をするかもしれない局面に立たされると、リスクがある選択をしにくくなってしまうのです。
そして、投資をはじめたての頃は、「損をしたくない」という気持ちがとくに強いです。
だからこそ、複雑な意思決定をする必要のないドルコスト平均法が投資初心者には魅力にうつるといえるでしょう。
ここまで、ドルコスト平均法のメリットをお話ししました。
ドルコスト平均法は金融商品を購入する時のリスクを下げる効果があり、投資初心者が利用しやすい投資手法なのです。
しかし、本来、投資をする目的は、収益を得るためのはずです。
では、ドルコスト平均法は利益が出やすい仕組みなのでしょうか?
ドルコスト平均法で利益が出るのは、限られた場合だった
結論からお伝えすると、ドルコスト平均法で収益が出るのは、金融商品の価格が一度下がり、その後右肩上がりに上昇する場合です。なぜかというと、ドルコスト平均法が効力を発揮するのは、価格が安くなったときに金融商品を大量に購入することができ、安値で購入した金融商品の価格が上がるときだからです。
逆に以下のような場合では、ドルコスト平均法で収益を出すことができません。
・金融商品の価格がずっと右肩上がり場合
ドルコスト平均法よりも価格が安い時にまとめて購入する方が、利益が高くなります。
・金融商品の価格が右肩下がりの場合
資産価値が下がり続けているため、利益が出ることはありません。
ドルコスト平均法による投資を検討している人は、この点をしっかりと理解していただければと思います。
では最後に、ドルコスト平均法のデメリットを説明します。
ドルコスト平均法のデメリット3つ
ドルコスト平均法を運用するデメリットは以下の3つです。
①資金力がある場合は、機会損失につながるおそれがある
②支払い手数料がかかる
③投資が集中するのでリスク分散できない
ひとつずつ説明していきます。
ドルコスト平均法のデメリット①
資金力がある場合は、利益を逃す恐れがある
先ほど説明したように、投資初心者が少ない元手で投資を始めるには、ドルコスト平均法は有効な投資不法のひとつです。
しかし、資金力に余裕がある場合は、買い時だと思った金融商品を一括で購入し、売り時に売却したほうが利益は大きいでしょう。
そのため、資金力がある人にとっては、ドルコスト平均法は利益を逃す恐れがあるといえます。
ドルコスト平均法のデメリット②
売買の回数が多いため、手数料が多くかかる
たとえば、120万円分の金融商品を一括で購入する場合と、1回あたり10万円の取引を12回行う場合とで考えてみましょう。
売買の手数料は、売買回数に応じてかかるのが一般的なので、売買回数が多いドルコスト平均法は、証券会社に支払う手数料が多くなる可能性が高いです。
ドルコスト平均法を活用する際には、手数料をきちんと確認しておきましょう。
ドルコスト平均法のデメリット③
投資が集中するのでリスク分散できない
ドルコスト平均法が取得価格を安く抑えられるからと、特定の金融商品にだけ資産を集中させると、その金融商品の価格が下落したときのリスクが大きいです。
投資の対象を複数もっておいたほうが、リスクを分散させることができます。
まとめ
ドルコスト平均法は、投資の初心者が投資を始めるときに取り組みやすい方法といえるでしょう。
しかし、投資をはじめたい場合は、今回お話ししたドルコスト平均法を用いた投資以外にも、さまざまな選択肢があります。
たとえば、以下の記事では、100万円を元手にして、不動産投資をした人の事例を紹介しています。
興味がある人はぜひチェックしてください。
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