【 目次 】
不動産投資をやったことがなく知識もないという方は、まずどのようなことから始めればよいかわからないということが多いでしょう。
したがって、今回は不動産投資初心者が勉強するために、やるべきことをご紹介します。
不動産に関する資格には何がある?
不動産投資を勉強するにあたって、資格の勉強をするという選択肢があります。
不動産投資に関する資格の勉強をしておけば、不動産投資を勉強できるだけでなく、実用的な資格の取得にも近づきます。
本項では、そのような不動産投資に役に立つ資格をご紹介します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士(以下、宅建士)とは、宅地建物取引業法に基づいて定められている国家資格です。
宅地建物取引業者、すなわち不動産会社は宅建士を事務所ごとに5人に1人の割合で設置する必要があります。
宅地建物取引士の業務内容
宅建士の仕事は、主に重要事項の説明、重要事項説明書への記名・押印、契約書の記名・押印などであり、どれも宅建士のみが行える仕事となっています。
引っ越しの経験がある人は、この重要事項の説明というのは必ず受けたと思います。
このように、宅建士というのは不動産会社に欠かせない存在であり、宅建士がいなければ不動産を売ることも貸すこともできないということになります。
宅地建物取引士の試験内容
宅建士の試験の問題内訳は以下のようになっています。
科目 | 基本問題数 |
宅地建物取引業法 | 20問 |
民法など | 14問 |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 8問 |
この表を見てみると、不動産取引に関する法律を、民法という基本的な法律から学ぶことができるとわかります。
不動産取引では、抵当権をはじめとして複雑な仕組みが多くあります。
このような複雑な仕組みに対しては、法律による厳密な定義から学ぶことで、深い理解につながるといえるでしょう。
宅地建物取引士の合格率と試験情報
宅建士の毎回の試験の合格率は約15%程度、受験者数が約20万人程度ですので、約3万人が合格しています。
平成28年度の宅地建物取引士試験では、35問以上/50問の正解率の人を合格としており、合格点は各回で31~36問/50問あたりとなっています。
宅地建物取引士の試験は、年に一度、10月の第3日曜日に開催されます。
H29年度の試験情報は以下のようになっています。(H29/03/14現在)
郵送申し込み | 平成29年7月3日(月)~同31日(月) |
試験日時 | 平成29年10月15日(日)13時~15時 |
受験手数料 | 7,000円 |
合格発表 | 平成29年11月29日(水) |
賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。
全日本不動産協会等複数の団体が認定している公的資格であり、賃貸不動産経営管理士と名乗るためには、資格試験に合格して登録手続きを行う必要があります。
賃貸不動産経営管理士の業務内容
賃貸不動産管理業は、家主との賃貸不動産の管理業務を受託する契約から、建物の維持管理や不具合の対応、原状回復工事など様々な業務があります。
例えば以下のようなものを業務とします。
1.管理業務受託契約
・市場調査
・管理業報酬の設定
・管理業受託契約の締結
2.入居者募集~契約
・入居者募集~契約
・入居審査
・鍵の引き渡し
3.管理業務(契約期間中)
・建物維持管理・修繕
・法定点検
・建物清掃
・クレーム対応
・契約更新
4.管理業務(契約終了)
・退去立ち合い
・原状回復工事
・入居促進
また、賃貸不動産経営管理士にも専門業務が設定されており、①貸主に対する賃貸住宅管理に係る重要説明事項の説明と書面への記名・押印、②貸主に対する賃貸住宅の管理受託契約書の記名・押印が該当します。
賃貸不動産経営管理士の試験内容
賃貸不動産経営管理士の試験では以下のような内容が出題されます。
- 賃貸管理の意義・役割をめぐる社会状況に関する事項
- 賃貸不動産経営管理士のあり方に関する事項
- 賃貸住宅管理業者登録制度に関する事項
- 管理業務の受託に関する事項
- 借主の募集に関する事項
- 賃貸借契約に関する事項
- 管理実務に関する事項
- 建物・設備の知識に関する事項
- 賃貸業への支援業務に関する事項(企画提案、不動産証券化、税金、保険等)
宅建士では、法律という観点から勉強をできるということを示しましたが、賃貸不動産経営管理士に関しては、上記のような事務的な事項に関しての知見を深めることができます。
賃貸不動産経営管理士の合格率と試験情報
賃貸不動産経営管理士の近年の試験の合格率は50~80%となっており、受験者数の増加とともに年々減少しています。
平成29年度の試験情報は以下のようになっています。(H29/03/14現在)
願書請求期間 | 8月16日(水)~9月25日(月) |
試験日 | 11月19日(日) |
受験料 | 12,960円(H28年度のデータ) |
登録料 | 6,480円(H28年度のデータ) |
なお、試験合格後、資格登録を行うには「宅地建物取引士、又は協議会が認める賃貸不動産関連業務に2年以上従事している又は従事していた」、という登録要件が必要になるので、宅建士をとってから勉強をするというのが順当な方法です。
ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャル・プランナーは、相談者のファイナンシャル・プランニングをサポートする専門家としての役割を果たします。
ファイナンシャル・プランニングとは、人生の目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を指します。
ファイナンシャル・プランナーの業務内容
先述の通り、ファイナンシャル・プランナーはファイナンシャル・プランニングの相談役という役割を果たします。
ファイナンシャル・プランニングの知識は多くの銀行や証券会社、保険会社などの金融機関では習得を推奨しており、それだけ活躍の場が広いということを示しています。
また、一般企業においても福利厚生の一環として、ファイナンシャル・プランニングの知識を持つ人材を求めているという事例もあるようです。
ファイナンシャル・プランナーの試験内容
ファイナンシャル・プランナーの2級における出題範囲は以下のようになっています。
- ライフプランニングと資金計画(社会保険と年金、住宅資金とローンなど)
- リスク管理(生命保険や損害保険など保険商品全般とリスクマネジメント)
- 金融資産運用(預貯金、投資信託、債券など、お金や資産の運用法全般)
- タックスプランニング(所得税、法人税、消費税など税金全般)
- 不動産(不動産の査定、取引、不動産関係の法令など)
- 相続・事業承継(贈与と法律・税金、相続と法律・税金など)
ファイナンシャル・プランナーは資金計画のプロですので、財産に関する知見を得ることができます。
また、所得税をはじめとし、投資おいて避けることはできない税金についても詳しく知ることができるため、非常に役に立つ資格といえるでしょう。
ファイナンシャル・プランナーの合格率と試験情報
ファイナンシャル・プランナーの技能試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会の2つの機関を受験申込先として選択できます。
両者の違いは、実技試験における出題分野が少々異なりますが、試験日程や受験料などはおおむね変わりません。
試験は、学科試験と実技試験の2種類があり、両方の試験に合格することで合格証書が発行されます。
2級ファイナンシャル・プランニング技能検定の場合、試験の詳細と受験手数料は以下のようになっています。
受験申請期間 | 試験日 | 合格発表日 | |
第一回 | 3/17(金)~4/7(金) | 5月28日(日) | 7月4日(火) |
第二回 | 7/5(水)~7/25(火) | 9月10日(日) | 10月20日(金) |
第三回 | 11/14(火)~12/5(火) | 1月28日(日) | 3月8日(木) |
試験種類 | 受験手数料 | |
2級 | 学科と実技 | 8,700円 |
学科 | 4,200円 | |
実技 | 4,500円 |
専門家イチオシの勉強方法!プロからアドバイスをもらう
以上のように、不動産投資を始めるうえで役に立つ資格を紹介しましたが、重要なのは資格そのものではなく、勉強によって得た知識です。
したがって、資格にこだわらずに、不動産のプロからお話を聞くという方法で知見を深めるというのも有効であるといえるでしょう。
不動産や保険などは、法律についての知識も知っていなければならないため、法律の勉強をしたことがない初心者からすれば難しい分野かと思います。
このような難しい分野は、知見のある人、すなわち不動産のプロから教えてもらうというのが習熟への一番の近道でしょう。
不動産に関する知識のない初心者でも、マンション経営などに興味がございましたら、当社にご相談ください。
当社の不動産投資のプロが丁寧にご説明いたします。
不動産投資初心者ならぜひ参加したいセミナー紹介
不動産投資を勉強するにあたり、セミナーのような勉強会に参加するというのも有効な方法といえます。
しかし、セミナーには様々な内容のプログラムあります。
例えば、中古マンション投資向け、資金調達、海外不動産向け、ビギナー向け、相続税対策等です。
では、どのようなセミナーを選ぶべきなのでしょうか?
初心者であれば、まず、網羅的な内容の、いわば「広く浅く」なセミナーがおすすめされます。
というのも、このようなセミナーでは不動産投資とは何かという大枠を知ることができるからです。
また、不動産投資だけに絞らず、「資産運用の必需性」を学べるセミナーもおすすめです。
不動産投資を検討する投資家の中には、そもそもの不動産投資をする目的を見失っているという方もいらっしゃいます。
そのようなことを避けるためにも、初心に帰って資産運用について学ぶことも重要であるといえます。
資産運用についてはどうポートフォリオを組むのかの記事も掲載していますので、ご参考にください。
関連記事:20代必見!資産運用で重要な”理想的なポートフォリオ”の作り方
まとめ
今回は不動産初心者がどのような方法で勉強すればよいのか、という点に着目して解説しました。
資格やセミナー等、不動産投資に関して学ぶ方法は様々あります。
自分の生活リズムや環境を踏まえて、最善の勉強方法で知識を深めるようにしましょう。
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