【 目次 】
不動産投資における賃貸経営は、株やFXなどと比べて、ローリスクで安定的な収入をもたらしてくれます。
しかし投資である以上、リスクは必ずつきまといます。
今回は、不動産投資全体での投資戦略と、賃貸経営をする際に発生する可能性のあるリスクを具体的な体験談とともに紹介します。
これらを学ぶことで、賃貸経営のメリットをより確かなものにしていきましょう。
不動産投資戦略
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不動産投資で利益を得る方法には大きく分けて、アパートやマンションなどを購入して家賃収入を得る方法(インカム・リターン)と、物件購入時と売却時の差額から利益を得る方法(キャピタル・リターン)の2種類があります。
このうち、どの利益を狙うかによって不動産投資の戦略は4種類に分類することができます。
ここでは、各投資戦略の概要と特徴を説明していきます。
コア型
コア型とは、不動産の賃貸から生じるインカム・リターンを主な目的とする投資戦略です。
一般的に、キャピタル・リターンを狙う投資よりも低利回りですが、安定した家賃収入が見込める物件の場合には、安定的にリターンを獲得することができます。
安定した家賃収入を得る必要があるため、空室になってしまうリスク減らすことが重要になります。
コアプラス型
コアプラス型とは、コア型と同様に、賃貸収入のインカム・リターンを狙うのがメインですが、同時にキャピタル・リターンの獲得も狙う投資戦略です。
コア型よりも若干リスクを負うかわりに、さらなる収益性も求めます。
バリューアデッド型
バリューアデッド型とは、インカム・リターンの獲得に加えて、割安に取得した不動産などについて、積極的に収益性を高めて、不動産価値を増加させることにより、キャピタル・リターンの獲得も目指します。
先程までのコア型やコアプラス型に比べて、リターンも大きい分、リスクも大きくなります。
建物の維持管理が適正に行われていなかったため、老朽化などが激しい割安な物件などを、大規模に修繕・リノベーションすることで付加価値の増加を狙います。
オポチュニスティック型
オポチュニスティック型とは、市場動向予測に基づいた不動産の売買により、キャピタル・リターンの獲得を目的にしています。
4つの不動産投資戦略の中で、最もハイリスクで、ハイリターンな投資戦略です。
オポチュニスティック型投資にはいくつかの形態がありますが、いずれにせよ不動産投資に精通していることと、まとまったキャッシュが必要になるため、玄人向けの不動産投資のスタイルと言えます。
このように不動産投資には、4つの戦略があります。
賃貸経営をする際には、一般的にコア型かコアプラス型になりますが、それぞれの戦略を理解し、それに合った物件を選択することが賃貸経営を成功させる上で非常に重要になります。
次に賃貸経営をする際のリスク回避の失敗例とそのポイントを紹介します。
物件購入時のリスクと回避策
物件購入時のリスクとして最も大きいものの一つに、購入物件に瑕疵があることが挙げられます。
購入時に気づかなかった瑕疵があることで、予期せぬ修繕費用がかかってしまったり、入居率が下がってしまい十分な家賃収入が得られなかったりといった可能性があります。
瑕疵のリスクと回避のポイント
まず、瑕疵にも大きく分けて3種類あります。
物理的瑕疵・心理的瑕疵・環境的瑕疵です。
それぞれを具体的に説明していきます。
物理的瑕疵
物理的瑕疵とは、取引対象となる建物や土地に物理的な不都合があることをいいます。
中古物件を購入しようとすると、雨漏りをする箇所がある、シロアリによって土台や柱が浸食している、建物が傾いている、配管が傷んでいて水漏れをする、というようなこともありえます。
これらの物理的瑕疵があった場合には、修繕が必要になり予期せぬ費用がかかってしまうことがあります。
物理的瑕疵のある物件を回避するためには、中古物件の場合、購入時の契約書の付属書類である「物件状況確認書」に、雨漏りやシロアリ被害などの状況が記載されていますので、購入前にこちらをきちんと確認するようにしてください。
心理的瑕疵
心理的瑕疵とは、過去にその物件で自殺や事件などがあったことで、心理的な面においてその物件の住み心地が減少することです。
心理的瑕疵があった場合には、家賃を大幅に下げるなどしないと入居者が見つからないことがあります。
心理的瑕疵のある物件に関しては、法律上では、売主に物件の販売図面に告知事項として記載する義務があります。
しかし、その事件が発生してからいつまで記載するかなどの明確な決まりはないため、売主と売買契約を結ぶ際にしっかりと確認をする必要があります。
環境的瑕疵
環境的瑕疵とは、物件自体には何も問題はないものの、他の建物の陰になってしまい日当たりが悪い・周辺地域の治安が悪い・環境が汚染されているなどといった、物件の周辺環境に問題があることです。
環境的瑕疵があると、心理的瑕疵と同様に、家賃を引き下げなければ入居者が決まらなくなってしまうことがあります。
環境的瑕疵に関しては、購入前に自身の足で物件周辺を歩いて確認する必要があります。
中古物件の場合は、管理会社などにこれまで入居者から、騒音・異臭などの報告がなかったか確認することも重要です。
さらに、購入後の周辺環境の変化を売主がどこまで保証してくれるのかを確認しておくことも必要です。
瑕疵担保責任
本項では、瑕疵リスクの手段となりうる瑕疵担保責任について紹介します。
不動産売買契約をした後に、買主が認識していなかった瑕疵が確認される場合があります。このとき、買主は売主に物件の修繕や損害の賠償を請求することができます。
このような、物件の瑕疵に関する売主の責任を瑕疵担保責任と呼びます。
瑕疵担保責任については売買契約時に、その責任を売主が負うか否か、負う場合には物件引き渡しからどのくらいの期間有効かといった事項が定められます。
瑕疵担保責任が有効となる期間の一例として、主要構造部分は10年、その他の部分については2年という場合があるようです。
瑕疵リスクに関するケーススタディ
実際に物件を購入した後、周辺環境の変化で環境的瑕疵の被害を被ってしまった判例を紹介します。
Aさんは、日照と眺望の良さを強調して売り出された海辺のリゾートマンションを購入しました。
しかし、3年後に東南方向に別の業者による高層リゾートマンションが建設されたため、日照と眺望が遮られてしまいました。
これに対して、Aさんは、瑕疵担保責任等を理由に裁判を起こし売買代金の返還を求めました。
しかし、裁判所は、
「日照及び眺望は、本質的には周囲の状況変化によって変化されることを余儀なくされるものであって、これを独占的、排他的に支配し、享受し得る利益として法的保護の対象とすることは不可能」
であるとし、売主とAさんの間に特別に日照などを保障する契約がなかったことから、Aさんの請求を棄却しました。
このケースでは、物件購入時には問題がなかったものの、購入後の周辺環境の変化によって環境的な瑕疵が発生してしまいました。
このようなことが起こり得るかを事前にチェックするのと同時に、売主との間でその物件における重要な特性が保障されるのかといったことをしっかり確認しておくことが重要です。
入居者に関わるリスク回避の例とポイント
入居者に関わるリスクとしては、家賃の滞納や他の入居者および近隣住人に対しての迷惑行為などが考えられます。
ここでは、家賃滞納リスクと迷惑行為リスクを減らすためのポイントおよび、回避に失敗してしまった例とそこから学べることを説明していきます。
家賃の滞納
家賃を滞納されてしまうケースでは、収入が得られないだけでなく、空室の場合と異なり新たな入居者を募集することもできません。
強制退去させるにも、多くの費用や時間がかかってしまうことがあるので、家賃滞納が起こらないようにする必要があります。
一般的に家賃滞納リスクを減らすためには、入居時の審査を厳しくするというという方法があります。
しかし、審査を厳しくすることで入居者が決まらず、空室が増えてしまう可能性があるため、審査の厳しさと物件の空き率のバランスを考えなければいけません。
当社の場合、入居者の方は家賃保証会社への加入を義務付け、家賃滞納時に備えて保証をしています。
このように、万が一の場合にも任せられる賃貸管理会社に委託することで安心を得ることができます。
他の入居者や近隣住人に対して迷惑な行為をする
ある入居者が騒音やゴミなどで他の入居者や近隣住人に対して迷惑をかけることが考えられます。
このようなケースでは、他の入居者が出ていってしまったり、近隣での評判が下がってしまったりして、空室率が高くなってしまう可能性があります。
居住者の迷惑行為のリスクを減らすにも、家賃滞納の場合と同様に、入居時の審査を厳しくする方法があります。
しかし、家賃滞納の場合と同様に、空室が増えてしまう可能性があるので、審査の厳しさと空室のバランスを取る必要があります。
迷惑行為としては、例えば以下のような項目があげられます。
- ペットの鳴き声や糞の不始末、大型犬等による傷害
- 楽器やカラオケの演奏、大声
- 床や壁を叩いたり蹴ったりする行為
- ゴミの放置による悪臭や、ハエ、ゴキブリを発生させる行為
- 高温、恫喝等の粗暴な言動のように、近隣住民に対して精神的苦痛を与える行為
- 火災や水漏れを繰り返し起こす等の行為
これらの迷惑行為に対しては、未然に防止する措置をする必要があります。
方法の一つには、入居者に対してルールや義務を認識してもらう誓約書を提出するという方法があげられます。誓約書という書類によって、そもそもどのような行為が迷惑行為に当たるのかというのを明確にすることができます。
また、マンションの場合は管理組合の規約でそもそも上記の内容に制約がかかっているケースも多いです。
空室リスク回避のポイント
賃貸経営をする上で一番避けなければならないリスクのひとつとして、空室リスクがあります。
立地条件が悪い・管理がされておらず建物が古臭いなど様々な理由により、入居者が決まらず、家賃収入が得られないことがあります。
しかし、ローンは毎月返済しなければならず、赤字になってしまうことがあります。
これが空室リスクです。
一般的に空室になりにくい物件には以下のような特徴があると言われています。
- 利便性のいい物件
- 競合物件と差別化されている物件
- きちんと管理されている物件
賃貸経営を行う物件を購入する前にこれらの条件が満たされているかどうかを確認するようにしましょう。
また、空室になってしまった場合でも以下のような対策を試してみるのもよいでしょう。
- 敷金礼金を下げる
- 賃貸管理会社を入居率の高い会社に変更する
- 家具付き物件にする
- 外国人入居者を積極的に取り入れる(賃貸管理会社によって条件がある可能性があります)
関連記事:プロが教えるリスク対策!儲かるアパート・マンション経営のコツ
賃貸管理会社に委託しよう
ここまで、不動産投資戦略にはどのような形式があるのか、また、不動産投資にはどのようなリスクが潜んでいるのかという点について解説しました。
不動産投資の初心者の方にとっては、これらのリスクとどのように共生していくべきか、というのはなかなかイメージできないのではないかと思います。
そこで、まずは賃貸管理会社に相談してみることをおすすめします。
弊社では、賃貸管理業務としてお客様に代わって、入居者募集から賃貸契約手続きまでを代行します。
また、リーシング事業部との連携で、家賃の集金、クレーム対応、メンテナンス手配まで責任を持って請け負う体制を整えています。
投資をサポートしてくれるサービスを存分に使って、失敗しない不動産投資ができるよう心がけましょう。
関連記事:管理と物件が重要!不動産投資で家賃収入を得る方法を実例で紹介
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