【 目次 】
本日は、不動産運用を行う上では非常に重要な知識として、家賃保証契約と集金代行契約の比較、家賃保証契約の落とし穴に関してお話をさせて頂きます。
実際に弊社のお客様からもよく質問をいただく内容となりますので、既に運用をされていらっしゃる方も「私は大丈夫」とは思わずしっかりご確認下さい!
サブリースについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
家賃保証契約(サブリース)の落とし穴
家賃保証契約(サブリース)とは、入居者がいてもいなくても賃貸管理会社が借り上げを行うことにより、空室のリスクヘッジが行える契約内容のことです。
家賃保証は一見、不動産運用に安定をもたらしくれる素晴らしい契約のように見えます。
しかし実際は必ずしも安心出来る訳ではありません。
その理由を説明していきしましょう。
①オーナーが家賃を決められない
家賃保証契約でも、家賃は下がる事があります。
家賃保証契約だから賃料下落のリスク加味せずに、運用を検討されていらっしゃる方がいますが、それは大きな間違いです。
家賃保証という言葉から勘違いが生まれやすいですが、家賃保証とは家賃の支払いを保証してくれているだけで、今の家賃の金額を保証してくれる訳ではありません。
集金代行契約ではオーナーが家賃を設定出来ます。
ただし家賃保証の場合は、家賃を設定出来るのは管理会社となります。
『35年一括借上げ!安心です!』と、その期間は新築時と変わらず同じ家賃を約束してくれているかのような広告を目にします。
もし購入した物件が空室が続く粗悪物件なら、2年の契約更新時、もしくは契約期間中に管理会社から一方的に大幅な家賃の値下げを打診されます。
どうしても家賃保証で運用していきたい方は契約期間や保証内容を事細かく確認しましょう。
②家賃保証には期間が定められている
家賃保証契約には契約期間が御座います。
35年間一括借り上げ!なんて言葉をよく見ますが、実際には2年や4年(保証会社により異なります)ごとに契約内容の更新があります。
契約の更新時には、「オーナーが家賃を決められない」の項目にあるように賃料の改定や、最悪の場合、家賃保証契約を打ち切られる場合等もあります。
大抵、30年or35年家賃保証を行っている会社は家賃保証しか選択出来ません。
ただし、それには注意しなければならないポイントがあります。
意外と35年後を気にせずに安心してしまっているオーナーの方にお会いする事もしばしば。
もし35年間家賃が保証されている期間にオーナーには知らされず空室ばっかりの物件だったら。
35年後に家賃が入らない物件が手元に残り、35年間温めてきた時間が無駄になってしまいます。
③更新料や礼金がもらえない?
更新料や礼金がもらえない可能性があります。
不動産運用を行う上では、退去時にはルームクリーニング費用が入居募集を行うにあたり広告費用がかかるケースがあります。
ですが、その反対にオーナー側が受けられるメリットとなるのが、更新料や礼金ですが、こちらが保証会社受け取りのケースも御座います。
そうなると、突発的な拠出はあっても収入がない。そんな状況も考えられます。
家賃保証契約と集金代行契約
自分の部屋に住んでくれる人を探したり、住んでいる人のクレーム対応をしたり、家賃の支払いが遅れている入居者に督促したり。
オーナーの仕事は大変です。
サラリーマンが片手間で出来る仕事ではありません。
なのでサラリーマン大家さんの皆様は賃貸管理を行う会社に依頼をします。
その中でも、一般的には集金代行という契約形態を選択するオーナーが多いです。
集金代行契約とは、管理手数料を支払って家賃の回収や、クレーム対応、退去時のお部屋のクリーニング等を代行してもらうサービスです。
集金代行は入居者がいなければ当然家賃はオーナーには入金されません。
対して、家賃保証(サブリース)契約はお部屋が空室でも家賃が入金されます。
極論、1年間誰も住んでなくとも家賃が入ってきます!
その代わり、管理手数料が集金代行サービスより割高です。
家賃保証契約と集金代行契約の価格差
ここで、家賃保証契約と集金代行契約ので価格差を検証してみます。
【前提条件】
・家賃は10万円に設定。
・集金代行契約の管理手数料は家賃の3.5%(3,500円/月)
・家賃保証契約の管理手数料は家賃の10%(10,000円/月)
・管理会社の管理している全戸数(全部屋数)は2,000部屋とする。
・空室が起きるまでの期間 (下記URLのVol.8を参照)
①入居率92.5%(1.1年に1ヶ月空室)のケース 首都圏平均入居率(※)
・集金代行契約
(管理手数料) × (空室が起きるまでの期間/月) = (空室になるまでにかかる管理手数料)
3,500円 × 13ヶ月(1.1年=13ヶ月) = 45,500円
(空室になるまでにかかる管理手数料)× (1ヶ月空室) = (空室になった際のコスト)
45,500円 + 100,000円 = 145,000円
・家賃保証契約
(管理手数料) × (空室が起きるまでの期間/月) = (空室になるまでにかかる管理手数料)
10,000円 × 13ヶ月 = 130,000円
家賃保証なので空室になっても家賃は振り込まれます。
差額 145,000円(集金代行) - 130,000円(家賃保証) = 15,000円
集金代行契約を選択すると15,000円損をしますので、
家賃保証契約を選択しましょう。
ただし、この入居率であれば、そもそもこの物件で投資するのはやめましょう!
②入居率99%(8.3年に1ヶ月空室)のケース
・集金代行契約
(管理手数料) × (空室が起きるまでの期間/月) = (空室になるまでにかかる管理手数料)
3,500円 × 99ヶ月(8.3年=99ヶ月) = 346,500円
(空室になるまでにかかる管理手数料)× (1ヶ月空室) = (空室になった際のコスト)
346,500円 + 100,000円 = 446,500円
・家賃保証契約
(管理手数料) × (空室が起きるまでの期間/月) = (空室になるまでにかかる管理手数料)
10,000円 × 99ヶ月 = 990,000円
差額 446,500円(集金代行) - 990,000円(家賃保証) = -543,500円
入居率が高い物件を家賃保証契約にしてしまうと54万円近くただただ会社の利益となってしまいます!
『35年一括借り上げ!家賃保証は安心です!』
家賃保証しか選択出来ない会社は、人気があり入居率が高い物件を開発出来ないか、利益を余分にとっているかしている可能性もあります。
この数字が示す通り、不動産投資、不動産運用をするならば、人気があり入居率が高い物件、入居率が高い管理会社で集金代行契約にて投資をするべきです!
まとめ
上記のように、家賃保証契約(サブリース)には落とし穴があります。
ここまでお読み頂くと、家賃保証ってあまりいいものではないのかな?
そう思われる方もいらっしゃるかと思います。
結論をいえば、そんなことはありません。
不動産投資を行う上で、最もリスクとなりえる空室を回避出来るのですから
安心感も生まれ、より運用の長期想定もしやすくなるでしょう。
ですが上記のようなリスクもある上でどのような判断をすればいいのでしょうか?
答えは明確です。
家賃保証契約という言葉だけに流されず、ご自身が検討している不動産をしっかりと見てみて下さい。
・購入される物件がエリア相場に適正な賃料なのか。
・エリア、徒歩距離、設備グレードを加味し、どのような賃料推移を辿るのか。
しっかりとした長期シミュレーションを考える必要がありますね。
視点を変えればそもそも、賃貸ニーズが高く入居率が高く見込める安心できる物件なのであれば、高い管理手数料を払って家賃保証契約にして安心を買わずに、安い手数料だけで効率よく運用することが出来ますよね?
ご自身がご検討されている物件が、長期的にどの様なパフォーマンスを生む物件なのか、ご確認頂くと宜しいかと思います。
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