【 目次 】
新型コロナウイルスの影響により、私たちの「生き方」や「仕事」に対する考え方は大きく変わりました。その中で、フルタイムで働く生き方を早期にやめ、悠々自適に生きる「FIRE」への関心が高まっています。しかし、FIREを実現するためには、仕事をしなくても経済的に自立できるよう資産形成・資産運用をすることが必要です。
その有効な手段として注目を集めているのが不動産投資です。なぜ不動産投資はFIREに向いているといわれているのでしょうか。また、不動産投資でFIREを実現するためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。解説していきます。
FIREとは
FIREとは「Financial Independence,Retire Early」の略で、「経済的自立により早期退職すること」を意味します。似た言葉に「早期退職」、「アーリーリタイア」などがありますが、FIREの場合は「経済的に自立していること」が絶対条件となります。
投資による利益や貯蓄を確保し、時には資産に合わせて生活をミニマライズすることで、仕事をしなくても十分に豊かな生活ができるという状態を指すことが一般的です。
2014年頃アメリカで巻き起こったFIREムーブメントは、現在、日本にも徐々に浸透しつつあります。その背景には、物質的な豊かさや一般的な価値観にとらわれない「自分らしい生き方」を大切にする傾向が強くなってきたことが挙げられます。さらにコロナ禍によって若年層の投資家が増加したことがその流れに拍車をかけていると考えられます。
FIREの「4%ルール」とは
FIREを実現する目安として、「4%ルール」という言葉をよく耳にすると思います。
「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえる、という考え方です。
※25倍とは…「投資元本(100%)÷支出(4%)」の計算が根拠
つまりは、1年間の生活費を総資金の4%以内に抑えることができれば、FIREは実現可能というわけです。
例えば1年間の生活資金が400万円である場合は、その25倍である1億円の資金が必要になります。
日本におけるFIREとは
上記でご紹介したとおり、FIREを実現するために必要な資金の目安は「4%ルール」で算出することができます。
上記の「4%」という数字は、アメリカ株式の年間成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いたものです。インフレが起こると、それだけ現金の価値が目減りするため、インフレ率の分を差し引いて計算する必要があるのです。
しかし、日本のインフレ率は目標を2%とおいていますが、思うように上昇せず、現状1%にも達していないため、資産が目減りする割合はアメリカより低いです。日本においては1年間の生活費を総資金の5~6%で少しゆとりをもって計画することもできるでしょう。アメリカ基準の年間支出の25倍ではなく、17~20倍ほどが日本における資金の目安といえそうです。
日本におけるFIREルールの必要資金
日本でFIREを実現するための必要資金額について、FIREのルールと生活費と照らし合わせながら考えていきましょう。
必要な生活費はライフスタイルや家族構成によっても大きく異なりますが、ここでは生活保険センターが発表した「最低日常生活費」と「ゆとりある老後生活費」を基準とします。
「ゆとりある老後生活費」は夫婦2人の最低日常生活費に「旅行やレジャー」、「趣味や共用」など「ゆとりのための上乗せ」がされたもので、若い世代に必要な生活費とさほど乖離はないものと考えられます。
令和元年度のデータでは、
・「最低日常生活費」は月額平均22.1万円
・「ゆとりある老後生活費」は月額平均36.1万円 です。
これを日本におけるFIREのルール(5~6%)および、アメリカの4%ルールに当てはめると以下のようになります。
日本ルール 5~6% |
アメリカルール 4% |
|
最低日常生活費 (22.1万円) |
4,400~5,300万円 | 6,600万円 |
ゆとりある老後生活費 (36.1万円) |
7,200~8,600万円 | 1億円 |
※数字は概算
参考:公益財団法人 生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
上記から、安全性の高い運用を行い、FIREを実現させるためには、日本ルールに置き換えた場合では、少なくとも4,400万円が必要であり、より豊かな生活をするには1億円近い資金が必要であることが分かります。しかしながら、支出を抑えたり、緩やかに仕事を続けたりするといった工夫で、より少ない自己資金でもFIRE実現は可能です。次項で詳しく説明しましょう。
FIREを実現するためのプラン
上記でご紹介した通り、FIRE実現のためには4,400万~1億円程度の資金が必要です。
ライフスタイルや価値観と同様、FIREのあり方は人によってさまざまです。FIRE実現のためのプランをいくつかご紹介しましょう。
プラン【1】十分な原資を確保して完全にアーリーリタイアする
一般的にFIREと呼ばれているのがこちらのプランです。
1億円程度の十分な原資を確保して完全にリタイアし、不動産や株式などの投資によって働かなくてもFIRE前と同等かそれ以上の生活レベルをキープします。
働いていないからといってお金の面で我慢することがないばかりか、時間にゆとりがあるため旅行やレジャー、習い事なども不自由なく行うことができ、自分らしい豊かなライフスタイルを確立できます。
プラン【2】ギリギリの資本を用意してセミリタイアする・支出を減らす
プラン【1】のようなFIREが難しい場合は、
FIREがギリギリ実現できる4,400万~6,600万円程度の資本を準備し、投資による運用益を得ながら不足分はアルバイトや季節労働などで補填する、いわゆるセミリタイアを目指すところから始めてみても良いかもしれません。
収入に合わせて地方や海外でのミニマルライフを選択したり、必要に応じて仕事を増やしたりと、生き方に柔軟性を持たせられる点が大きなメリットです。
また、投資が軌道に乗り、安定した運用益が得られるようになった際には、プラン【1】へ移行することも可能です。
FIREを実現させる方法
FIREを実現させるためには、目標とする資産を築く必要があります。
そのために有効な方法としては、本業と並行して運用が出来る以下の2つが挙げられます。
【1】株式投資
【2】不動産投資
それぞれの概要やメリット・デメリットについて解説します。
株式投資
株式会社の発行する株式を購入・保有し、配当金や売却益を得る投資法です。
少額からの投資や分散投資が可能で、ローンを組む必要もありません。株式市場で売買ができるため流動性が高く、すぐに現金化できる点も大きなメリットです。
例えば大きな出費がある際には一部株式を売却し、まとまった現金を得るということも可能です。
その反面、リーマンショックのような大きな経済変動があった場合、株価が大暴落し、大きな損失をこうむる危険性もあります。
不動産投資
不動産を購入、運用することで賃料を得る投資法です。
ローンを組むことで自己資金を超える多額の投資ができる点が魅力です。
また、株式と異なり経済変動や社会情勢の影響を受けにくく、安定した収入が得られる点がFIRE向きであるといえます。
デメリットとしては空室や家賃滞納、災害といった不動産特有のリスクがあること、売却までに時間がかかることが挙げられます。
不動産投資がFIRE実現にオススメの理由
上記に挙げた2つの投資法にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、総合的に見ると不動産投資の方がFIREに向いているといえます。その主な理由を以下に解説します。
レバレッジ効果がある
レバレッジ効果は「てこの原理」ともいい、自己資金とローンを組み合わせることで、自己資金のみで運用するよりも大きな収益を生み出せることをいいます。
例:自己資金が200万円の場合
自己資金のみで利回り5%の金融商品を購入した場合は年間の収益は10万円しかありません。
しかし、不動産投資では自己資金200万円に800万円の借り入れを組み合わせることで、1,000万円のマンションを購入することができ、利回りが5%とすると年間の収益は200万円となり、自己資金のみで投資を行った場合の20倍にもなります。
FIREを実現するためにはなるべく早く投資を始め、投資経験を積むとともに少しずつ投資の規模を拡大していく必要があります。しかし、自己資金がなければ投資を始めることすらできません。不動産投資であればレバレッジをきかせることができるため、自己資金が少額で済み、早期から始めることができます。
経済影響を受けにくく、安定した利回り、収益を期待できる
先にも述べましたが、株式やFXのような金融商品は価格の変動が大きく、短期間で大きな利益を出すことが可能ですが、その反面、価格が急落し、損失を出してしまうこともあります。
不動産の価値は短期間で大きく値上がりすることはありませんが、家賃収入により安定した利回り、収益を長期間得ることが可能です。
実際、コロナ禍においても賃貸ニーズが急激に落ち込むといったことは起きておらず、経済変動の影響も受けにくいことがわかっています。
管理会社に運用を任せられる
株式やFXで資産運用を行う場合は、毎日値動きを確認し、購入・売却を判断しなくてはなりません。手間や知識が必要になりますし、価格の上下に一喜一憂することになるため、精神的にゆとりのある生活が困難になる場合があります。それでは真にFIREを達成したことにはなりません。
不動産投資であれば、一度物件を購入すれば、管理会社に運用を任せることができます。上記でご紹介したように価値が暴落する可能性も低いため、ゆったりした気分で投資を続けることができるでしょう。
不動産投資でFIREを実現するためのポイント
不動産投資でFIREを実現するためには、一般的な不動産投資より大規模な投資を長期的に行う必要があります。そのために特に注意すべきポイントを以下に解説します。
できるだけ早く不動産投資に着手する
退職後は融資を受けるのが難しいため、できるだけ早く不動産投資に着手することが重要です。
若いうちから不動産投資を行うことで、融資期間を長く組むことができる、不動産投資の経験を多く積めるというメリットもあります。
不動産投資を実践しているオーナーの多くが「早く始めれば良かった」という感想をお持ちです。
※参考:【オーナー対談】不動産投資を始めたきっかけと、経験者だからこそ言える今やるべき理由。
また、20代、30代で不動産投資を始めるメリットについては以下を参考にしてみてください。
参考記事:将来に不安を抱える20代・30代だからこその不動産投資
空室リスクの低い物件を選ぶ
不動産投資でもっとも重要なのは空室対策を行い、安定した収入を得ることです。特に収入源が家賃収入のみになる場合は、空室があると大きな収入減につながってしまいます。
そのために重要なのは賃貸需要の高い物件を選ぶことです。周辺環境や将来性を考慮してニーズの高いエリアを選び、ターゲット層に合わせた質の良い物件を吟味するようにしましょう。
参考記事:空室リスクの備えは万全⁉発生前にやるべきこと・発生後にやるべきこと
投資の規模を拡大していく
副収入の手段としての不動産投資とは異なり、まとまった収入が必要になるため、不動産投資でFIREを実現するためには、ある程度まとまった数の不動産を所有することが求められます。
しかし、自己資金が潤沢にある、もしくは十分な融資を受けられる条件を備えているという場合以外は、最初からそのような大規模な不動産投資を行うことは困難です。
融資枠があまり大きくない場合、まずはマンションを1室購入するところから始め、不動産運用を軌道に乗せて返済能力があることを示したり、本業の年収を上げていくことで追加の融資を受けて新たな不動産を購入することができます。
すぐにまとまった利益を得ようと焦るのではなく、実績と信用を積み重ねたうえで、少しずつ投資の規模を拡大していくようにしましょう。
物件の情報収集を怠らない
先にも述べましたが、FIRE実現のためには複数の不動産を所有する必要があります。1件目の不動産運用が成功しても、2件目で失敗しては、その損失を1件目の利益で補填しなくてはならなくなってしまいます。
不動産会社の言うことを鵜呑みにするのではなく、自身で物件の情報を集め、できるだけ多くの物件を自分の足と目で確認するようにしましょう。経験を積めば積むほど物件を見る目も養われます。
不動産運用は専門家に任せられるとはいえ、やはり最終判断は自身で行うものです。不動産オーナーであることの自覚を持ち、物件の情報だけではなく、不動産運用に必要な知識を学び続けるという姿勢が大切です。
不動産会社はFIRE実現のためのパートナー!その選び方とは
不動産投資は他の投資法と比較すると、投資期間が長くなる傾向にあります。特にFIREのためであれば、一生涯、続けることになると考えておいても良いでしょう。
そのため、不動産会社は一生を通して付き合うパートナーとなります。以下の点に気をつけて、大切な資産を任せられるパートナーとなる不動産会社を選ぶようにしましょう。
良質な物件を多数取り揃えている
不動産投資は不動産会社から物件を購入するところから始まります。不動産会社の中には、収益性が低く、質の悪い不動産を販売しているところもありますので注意が必要です。明確な判断基準のもと、資産性・収益性の高い物件を厳選して販売する不動産会社を選ぶようにしましょう。
参考1分動画:中古不動産の絶対評価?ビッグデータを活用した独自の仕入れ基準「SSスコアリング」とは?
サポート体制が整っており、気軽に相談ができる
不動産投資は比較的手間がかからない投資法とはいえ、現物投資ならではのリスクがあります。そうしたリスクへの不安や疑問を気軽に相談できる体制が整っている不動産会社であれば、安心して長期に渡る不動産運用に取り組むことができます。
担当者とコミュニケーションを取って信頼関係を築くことで、自身に合った物件や運用プランの提案などもしてもらえるでしょう。
参考1分動画:物件購入後も担当者が手厚いフォロー!不動産投資で重要な「1オーナー1担当制」とは?
不動産を適切に管理してくれる
不動産の管理は不動産管理会社に委託する場合がほとんどです。適切な管理を行うことで物件の資産価値は保たれ、空室リスクや家賃低下リスクを軽減させることができます。
不動産販売と管理をワンストップで請け負う総合不動産会社であれば、自社の物件に対する知識も豊富にあるため、適切な管理を行ってもらえるでしょう。
参考1分動画:不動産投資は「ワンストップ体制」の会社に全てお任せ!総合不動産会社ならではの強みとは?
参考1分動画:「マンション管理事業」の有無が不動産投資の成功の鍵を握る!?
複数の金融機関と取引している
FIREを実現させ、退職した後にさらに投資を拡大するという場合、特に気をつけたいのが融資の問題です。たとえ不動産投資が軌道に乗り、資産を十分に持っていたとしても、仕事をしていないという点が懸念事項となり融資を受けられないというケースもあります。
複数の金融機関と提携している不動産会社であれば、その中から融資条件の良いところを選ぶことができます。融資やローンの借り換えなどのサポートもしてもらえるため、FIRE実現のために不動産投資を拡大していく中で心強い味方となります。
まとめ
経済的に自立し、自分らしい生き方を自由に選択できる「FIRE」は、ライフスタイルや価値観が多様化しつつある現在において流行の兆しを見せています。
不動産投資はレバレッジ効果があるため少額の資金で始めることができ、また外部環境の影響を受けにくく安定した収入を得られることから、FIREに最適な投資法であるといえます。
不動産投資でFIREを実現するためには、長期的に安定した収入を得ることが必要です。そのためにも、一生のパートナーとなる不動産会社は慎重に選ばなくてはなりません。
プロパティエージェントでは独自のスコアリングのもと、資産性・収益性の高い物件のみを厳選して仕入れ、販売しています。物件の販売、管理、売却までをワンストップで行い、その全ての段階において、1人のオーナー様につき、1人の担当者が窓口となって相談を承ります。
FIRE実現のためのパートナーとして、ぜひプロパティエージェントをご用命ください。
関連記事
記事検索
Search
記事カテゴリ
Categories
記事タグ
Tags
- メリット
- 税金
- サブリース
- 立地
- 公示地価
- 不動産投資
- 再開発
- 法人化
- IRR
- 固定資産税
- アパート
- 資産運用
- ワンルームマンション投資
- 分散投資
- 不動産取得税
- マンション
- 入居率
- ROI
- 区分マンション
- セミナー
- 地方
- シミュレーション
- 購入
- 競売物件
- 新築マンション投資
- 都心
- 貯金
- 控除
- 不動産投資ローン
- 投資
- 賃貸管理
- デメリット
- 火災保険
- 住宅ローン
- 医師
- 建物管理
- 金融商品
- 不動産投資セミナー
- 修繕積立金
- 成功
- 確定申告
- 収益物件
- 東京23区
- ローン
- 空室
- 年末調整
- 新耐震基準
- 不動産投資市場
- サラリーマン
- 国税庁
- 不動産会社
- 物件選び
- 不動産クラウドファンディング
- 利回り
- 不労所得
- オーナー
- 贈与税
- 不動産特定共同事業法
- 保険
- 団体信用生命保険
- 小口化
- 相続税
- 新築ワンルームマンション投資
- 節税
- 金利
- 初心者
- 中古マンション投資
- 副業
- リスク
- 人気物件
- 減価償却
- NPV
- オーナーチェンジ
- 家賃収入
- 失敗
- 耐用年数
- 投資用マンション
- FIRE
- 限定情報配信中
-
リスク対策法、節税・確定申告の方法など不動産投資に役立つ情報を配信中
お得な限定情報を受け取る
- LINE@はじめました
-
運営会社
Company